「津田沼ザ・タワー」は下品で野蛮。事業者・設計者・開発行為事業者でない者になぜ問合せさせようとする?

[第464回]
   船橋市東部の我が家は坂の中腹の位置に建っているので、2階の窓からは南側の家の2階の屋根の上から南方が見張らせたのですが、あろうことか、その正面に坂の中腹の我が家よりも背の高い高層マンションが建築中、それは船橋市なのか習志野市なのかとクルマで南方に走って、ついに見つけたのは、JR「津田沼」駅の南側の「仲よし幼稚園」の跡地に建築中の「津田沼 ザ・タワー」だった。下品な建物である。↓
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( ↑ 「津田沼 ザ・タワー」 北西側から見たもの。)
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( ↑ 「津田沼 ザ・タワー」 北東側から見たもの。)

( ↑ 「旗」マークが「津田沼 ザ・タワー」 )

   この「津田沼 ザ・タワー」の事業者・設計者・施行者はというと、
「特定建築行為計画のお知らせ」の票↓
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( ↑クリックすると大きくなるので、大きくして見てください。)
↑によると、
《事業者》 三菱地所レジデンス株式会社
        執行役員 街開発事業部長 岡田友裕
       三井不動産レジデンシャル株式会社
        執行役員 千葉支店長 各務徹
       野村不動産株式会社
        住宅事業推進二部長 守島洋
《設計者》 株式会社フジタ 一級建築士事務所 赤木寛
《施工者》 株式会社フジタ 千葉支店 高橋時男

「確認年月日」は平成28年(2016年)8月12日の
「建築基準法による確認済」の票↓
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によると、
《建築主又は建造主氏名》
  三菱地所レジデンス株式会社
   街開発事業部長 岡田友裕
  三井不動産レジデンシャル株式会社
   執行役員 千葉支店長 遠藤靖
  野村不動産株式会社
   開発企画本部プロジェクト推進部長 渡辺弘道
《設計者氏名》
  株式会社フジタ 一級建築士事務所
   一級建築士 赤木寛
《工事監理者氏名》
  株式会社フジタ 一級建築士事務所
   一級建築士 赤木寛
《工事施工者氏名》
  株式会社フジタ 千葉支店
   支店長 高橋時男
《工事現場監理者氏名》
  諸留幸治

「許可年月日」は「平成28年(2016年)3月17日」の
「都市計画法29条の規定による許可済み」の票↓
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↑によると、
《開発行為施行者》 三菱地所レジデンス株式会社
              代表取締役 脇英美
《工事施行者》 株式会社フジタ
           代表取締役 奥村洋治
        (株式会社フジタ 千葉支店
           支店長 高橋時男  )
《現場監理者》 諸留幸治
          (株式会社フジタ 千葉支店)

  3つの票を見比べると、三井不動産レジデンシャル(株)と野村不動産(株)の人名が異なるなど、微妙な違いはありますが、事業者は、三菱地所レジデンス(株)・三井不動産レジデンシャル(株)・野村不動産(株)の3社で、「開発行為施行者」には三菱地所レジデンス(株)のみが記載されていて、他の票でも筆頭に掲載されているということは、三菱地所レジデンス(株)がこの3社の中では中心会社ということなのか。
  設計者と工事施行者はいずれも株式会社フジタ。

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↑ のイメージシートに、
「Daiwa House Group
 株式会社 フジタ  」
なんて書いてあります。株式会社フジタは、いつからか、大和ハウス工業株式会社https://www.daiwahouse.co.jp/ の傘下に入ったんですね。大和ハウス工業(株)HPの《グループ会社一覧》https://www.daiwahouse.com/about/company/ に (株)フジタ の名前が掲載されています。 《グループ会社一覧》に掲載されている会社名を見ると、なんと、(株)大阪マルビル なんてのも出ています。

  「特定建築行為計画のお知らせ」の票の下端には、
≪ この内容についてのお問い合わせは次の連絡先にお願いします。
  (事業に関する問い合わせ先) 氏名 株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所 高浦
                          電話番号03-3868-3001  ≫
と掲載されています。 
  インターネットで、「オリジナルワーク一級建築士事務所」と入れて検索しても、ホームページは出てきません。 「株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所」が関係するものとして、《蘆花公園 ザ・レジデンス建設と周辺環境を考えるBlog》http://roka-park-golf-site.blog.jp/archives/1037179825.html というものが見つかりました。 東京都 東京都世田谷区粕谷2丁目23番、24番内 で地上9階の共同住宅を建てようと、事業者は、三菱地所レジデンス(株)・野村不動産(株)・セコムホームライフ(株)の3社、「津田沼 ザ・タワー」の3者から三井不動産レジデンシャル(株)がぬけてかわりにセコムホームライフ(株)が入った3社で、
≪ (連絡先)東京都文京区湯島1丁目3番4号 KTお茶の水聖橋ビル2階
   (担当者)株式会社オリジナルワーク 一級建築士事務所 鈴木・高浦 
     電話: 03(3868)3001 ≫
として、「株式会社オリジナルワーク 一級建築士事務所」の名前が出ています。
住所として掲載されている≪東京都文京区湯島1丁目3番4号≫をグーグル地図に入れてみますと↓、

↑ 湯島聖堂の道路を隔てた北側に、1階にセブンイレブンがあるKT御茶ノ水聖橋ビル」というのはあります。そのすぐ左の南北の道を北に進むと湯島天神の鳥居にぶつかります。南に行くと聖橋(ひじりばし)で神田川を渡り、JR「御茶ノ水」駅の東側、さらに南に行くと西側にニコライ堂があります。
   ≪ (担当者)株式会社オリジナルワーク 一級建築士事務所 鈴木・高浦≫と書かれていますが、会社名には「・・・一級建築士事務所」と書かれているものの、個人名は苗字だけで名の方がないとともに、この鈴木さん、高浦さんという人が一級建築士なのか二級建築士なのか、建築士の資格は持っていないのかといったことは書かれていません。「・・・一級建築士事務所 誰それ」という記載のしかただと、その人が一級建築士の資格を持っているのか・・と思いそうですが、一級建築士事務所というのは一級建築士の資格を持っている人が1人でもおれば開設できますから、建築士の資格をもたない人である可能性もあります。もちろん、一級建築士の資格を持っていてもいいかげんな人間もおり、建築士の資格を持たない人でも仕事のできる人もいるのですが、「・・一級建築士事務所 誰それ」という表現だと、その人が一級建築士を持っているかのように思いそうになる表現です。 
   「蘆花公園 ザ・レジデンス」の方は建設事業者の名前がありませんが、「津田沼 ザ・タワー」の方は建設業者は株式会社フジタで、施工が株式会社フジタであって設計が株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所だというのなら、問い合わせを 株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所 にしてくれというのならわかるのですが、そうではなく、「津田沼 ザ・タワー」は施工が株式会社フジタであるとともに、設計も株式会社フジタですから、建築工事の内容については、株式会社フジタが対応するべきであり、設計者で施行者でもある株式会社がフジタが対応しないというのでは不誠実です。又、事業計画については、「開発行為事業者」は三菱地所レジデンス(株)ですから、三菱地所レジデンス(株)が対応するべきで、開発行為事業者である三菱地所レジデンス(株)が対応しないというのでは良心的ではありません。そもそも、この株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所というのは、今どき、ホームページもないようですが、いったい何者なのでしょうか? 一級建築士の資格を持っている者を1名置いているけれども、実際には「示談屋のたぐい」か何かなのでしょうか? 
   ≪この内容についてのお問い合わせは次の連絡先にお願いします。≫と言われても、「事業者」「設計者」「施工者」「開発行為事業者」のいずれでもない者から「お願い」される筋合いはないようにも思えますし、「お願い」である以上、お願いをきくもきかないも自由だということになるはずですし、たとえ、こういう文章が掲載されていたとしても、三菱地所レジデンス(株)・三井不動産レジデンシャル(株)・野村不動産(株)・(株)フジタの4社はこの事業についての問い合わせには応じるべきであり、「事業者」「設計者」「施工者」「開発行為事業者」のいずれでもない者、に話をしろというのは適切とは言えないでしょう。 《蘆花公園 ザ・レジデンス建設と周辺環境を考えるBlog》http://roka-park-golf-site.blog.jp/archives/1037179825.html には住所が掲載されていますが、「津田沼 ザ・タワー」の方には、株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所 は、掲載されているのは電話番号だけで、住所も掲載されていませんし、担当者名も、各帳票にはフルネームで指名が記載されているのに対して、「高浦」と苗字だけの記載です。 どこにあるかもわからない、どこのどういう存在かもわからない得体のしれない会社の何者かわからない人間に「問い合わせ」はしろ・・というのは、どうも、いい印象は受けません。もしも、まっとうな業者であるのなら、せめて、電話番号だけでなく住所くらいは記載するべきで、担当者も苗字だけでなく氏名と一級建築士なのか二級建築士なのか建築士の資格は持っていない者なのか、そのあたりも記載するべきでしょう。それが記載されていない、ホームページを開設して自社はどういう会社か、どういう者が運営しているのかといった説明も見れない、というのでは、信用されにくいですね。
   一般的には、建設工事によって騒音がひどいとか振動がするとか、もしもそういうことがあっての問合せなら、施工者の(株)フジタにするべきで、そうではなく、事業計画についての問い合わせなら、「開発行為事業者」の三菱地所レジデンス(株)にするべきでしょう。「設計者」でも「施工者」でも「事業者」でも「開発行為事業者」でもない相手に言ってくれというのは、理解に苦しみます。 そのいずれでもない「株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所」というホームページすら持たない会社、建築現場に電話番号のみ記載して住所すらも記載しない怪しげな会社、雑居ビルの1室に部屋があるらしい会社が、これだけの大規模な工事について、事業者でもなく設計者でもなく施行者でもなく開発行為事業者でもないのに、問い合わせを受けようというのは、どういう魂胆なのか?
   こういった票を建築現場に掲示しているのは、建築基準法・労働安全衛生法や習志野市の条例でこういう内容を記載して掲示してくださいと指定されているからだと思われるが、事業者・設計者・施工者がどこの誰それと枠内に記載しているということは、この事業についての問い合わせは三菱地所レジデンス(株)・三井不動産レジデンシャル(株)・野村不動産(株)に、施工についての問い合わせは(株)フジタにしてくださいと掲示しているはずで、枠外に、そうではなく株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所に問い合わせてください・・と枠内に記載しているその内容に反することを記載してのでは、条例に基づいて掲示しているこの票の趣旨に反することになりませんか? 習志野市役所の建築指導課はこの点、気づいているのかいないのか?
  又、「株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所」というのは名称から考えると、建築の会社のような名称です。「特定建築行為計画のお知らせ」の票を見ても、設計者・施工者は建築の会社ですが、三菱系・三井系にも建築の会社はありますが事業者は三菱地所・・(株)・三井不動産・・(株)・野村不動産(株)というように、建築業の会社ではなく宅地建物取引業の会社です。建築と不動産の両方を扱う会社があっても悪くはありませんが、ホームページすら持たない雑居ビルの1室を借りているという「建築士事務所」を名のる会社が、これだけの大規模なものについて不動産の方についても問合せは自分の所にしてくれというのは、どうも理解に苦しみます。 労使の団体交渉においても、使用者はある程度以上の権限を持つ者が団体交渉の場に出る必要があり、権限のない者が団体交渉の場に出ても労使交渉に応じたことにはならず、不当労働行為と評価されます。こういった開発行為においても、実際の事業者・設計者・施行者が問合せには応じるべきでしょう。
《事業者》三菱地所レジデンス株式会社 執行役員 街開発事業部長 岡田友裕、 三井不動産レジデンシャル株式会社 執行役員 千葉支店長 各務徹、野村不動産株式会社 住宅事業推進二部長 守島洋
《設計者》株式会社フジタ 一級建築士事務所 赤木寛
《施工者》株式会社フジタ 千葉支店 高橋時男
《設計者氏名》株式会社フジタ 一級建築士事務所 一級建築士 赤木寛
《工事監理者氏名》株式会社フジタ 一級建築士事務所 一級建築士 赤木寛
《工事施工者氏名》株式会社フジタ 千葉支店 支店長 高橋時男
及び、
《工事現場監理者氏名》 諸留幸治
は問合せに対応しないといけません。そうでなければ、これらの帳票に名称・氏名が書かれている意味がないことになってしまいます。

   もし、この株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所 に訪問して、「すいませんが、『津田沼 ザ・タワー』は、あんなもの、造られたのでは迷惑ですから、今すぐ、ぶっ壊してください」と言ったとしたら、どうなるでしょう? すぐに解体してくれるでしょうか? 「『津田沼 ザ・タワー』なんて、あんなものを建てられたのでは迷惑ですから、解体してもらいたいが、もしも、解体しないということなら、『津田沼 ザ・タワー』が建設されることによって居住環境が悪化する習志野市・船橋市の住民全員に損害賠償金・慰謝料をきっちりと支払うようにしていただきたいと思うのですが、事業者としては、いくら、支払う予定でおられるのでしょうか?」と質問したならば、きっちりと、いくら支払う予定でおりますと答えてくれるのでしょうか? それとも、「人相の悪い男」でも出てきて、腕をつかまれて引きずり出されるでしょうか? それとも、「まあ、あんたもここまで時間をかけて足を運んだことだから、車代くらいなら、なんとかしようじゃないか」とか言って千円くらいくれるとか・・でしょうか? 千円じゃ往復の交通費にも足らないですね。

   冒頭で、この「津田沼 ザ・タワー」を下品な建物と表現したが、実際、下品で野蛮な建物だと私は考えている。今回、船橋市役所都市計画課と習志野市役所都市計画課の対応について述べるつもりでしたが、それは次回にまわすこととして、そのあたりを先に述べたい。
   「設計者」は、≪株式会社フジタ 一級建築士事務所 一級建築士 赤木寛≫で、「工事監理者」でもあるらしい。 私なんかは、大学に進学する時には、父から「うちは工学部になんか行かすような金持とは違います。甘ったれなさんな」と言われて、それで、首をもがれても行かされたくないと小学生の時から一貫して思ってきた「経済学部・商学部・経営学部」のひとつである慶應大商学部に行かされてしまった人間なので、「一級建築士 誰それ」なんて書いてあると、「どこの大学か知らんけど、工学部建築学科なんて行かせてもらえて、ええなあ、うらやましいなあ。ほんまにええなあ。わしぁ、貧乏やからなあ。わしぁ、日陰の月見草やあ~あ・・・」とか思ったりしますが、まあ、そのあたりは横に置いておいて・・・。

   尾島俊雄『意義あり! 臨海副都心』(1992.3.19.岩波ブックレット)には、
≪ お台場地区はすべて売り尽くされ、企業に登録っていて、もはや配置済みである。小さな水溜りのような水辺を中心として、ホテルやショッピングセンターを配置し、周辺に超高層住宅をつくった景観は一体どうなるのだろうか。そのスカイラインを見ると、まるで屏風である。折り重なった高層群が自分の視界を確保するために、建物の陰になるまいとおのおの首を出すから、ちょうど結婚式の家族集合写真のように、ビルが全部屏風のように並ぶ。その結果、海風が完全にふさがれる。
≪ 新宿の特定街区は、早稲田の方角から見ると一つの山である。見る角度によっては、まったく隙間がない完全な超高層の屏風岩になっている。臨海副都心構想では、同じように、臨海部に二キロメートルにわたって高さ100メートルの屏風ができる。≫
と出ている。
   一級建築士であれ、「建築家」であれ、↑の尾島俊雄『意義あり! 臨海副都心』(1992.岩波ブックレット)が指摘しているようなことも考えて仕事をしてこそ、優秀な建築士であり「建築家」であって、そういうことを何も考えず、巨大な岩山を人工的に造ってその背後の平野を「盆地」にしてしまい自然環境を悪化させて平気でいるということなら、一級建築士であれ、「建築家」であれ、そんな一級建築士、そんな「建築家」は二束三文である。
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   新宿の西口の高層ビル群にしても、ふと気づくとそのあたりの高層ビルの一軍が岩山を構成しているということもあるとしても、それにしても、新宿西口とかそういった都心の場合は、そういう高層ビルを建てても、オフィスや店舗としての需要がある場所なので、その場所にそういう物を建てたいと考える気持ちはわからないことはない。しかし、船橋市とか習志野市というのは、「そこまで行って住めば戸建に住める」という場所、「そこまで行って住めば、自然環境も悪くない場所に住める」という所のはずであり、そういう場所の海に近い場所に、オフィスビルとして高層ビルを建てても需要がないので、高層マンションを建てるというのは、必要もない場所に高層ビルを建てて、「そこまで行って住めば戸建に住める」という場所、「そこまで行って住めば、自然環境も悪くない場所に住める」という場所の環境を破壊するというのは、それは建築士としても、「建築家」と考えても、それは優秀な人間のやることではないはずだ。

   日本には、「いっきゅうけんちくしい~い!」と言われるとありがたがる人というのが昔からいたのだが、かつては大学の建築学科というものが少なく、杉山英男『地震と木造住宅』(丸善)によると、明治の終わりの時点で建築学科のある大学は、東大と京大と早稲田大の3つだけ、大正の終わりの時点でも、東大・京大・早稲田大に東京工大と日大の5つだけだったらしい。その後、全国の国立大学に建築学科ができ、関西では阪大・神戸大にも建築学科があり、東京圏では千葉大にも東京芸大にも建築学科ができた。そのくらいならまだいい。そのくらいの時期においては、二級建築士は資格の制度ができてすぐの時期には、大工をやっていた人は無条件で取得できたという時期があったらしく、大工じゃなくてほかの職人でも大工やってましたと言えば取得できたという時期があって、それで、二級建築士はかつては評価が低かったのに対し、一級建築士は4年制大学の建築学科卒だと実務経験2年で受けることができたのに対し、学歴なしや工業高校の建築学科卒だと必要とされる実務経験が長かったので、一級建築士というのは「一流大学卒」と重なる度合が大きかったようだ。だから、「いっきゅうけんちくしい~い」と言ってありがたがる人もいたようだ。私の父親なども1970年頃、父の勤め先の会社の社屋を竹中工務店で建てた時、竹中工務店の担当者を「◇◇さんは、いっきゅうけんちくしい~い」とか言ってありがたがっていたが、まあ、「竹中工務店に勤めている一級建築士」なら大学もどこか国立の大学くらい出ていたのかもしれない・・が、その後、大学の数も増えて、大学の建築学科も増えて、そして、「バカでも入れる美大の建築学科」とか「カネさえあればバカでも入れる私大の建築学科」とかいうのがゴマンとでき、そして、一級建築士の試験というのは特別無茶苦茶難しいわけでもないらしいことから、「一流大学卒でない一級建築士」というのが大量生産された。「竹中工務店に勤めている一級建築士」なら「そこそこの国立大学卒」かもしれないが、「一条工務店に勤めている一級建築士」だと「バカでも入れる私大の建築学科卒」の場合が多いと思われる。私なら、そんな「大学」、たとえ、行きたいと言っても「甘ったれるな」と言われて受けさせてもらえない、まず、そんな「大学」を受けたいなんて言えないようなそんな「大学」卒の「いっきゅうけんちくしい~い」が大量に誕生している。又、中央工学校とか「建築専門学校卒」でも一級建築士の資格を取得することはできる。だから、「いっきゅうけんちくしい~い」もありがたみがなくなってきた・・・し、そうなると、「『いっきゅうけんちくしい~い』と矢鱈と言いたがる症候群」の「病人」は、「一流大学」卒よりも、むしろ、「建築専門学校卒」くらいの「学歴」の人に多くなり、「一流大学」の建築学科卒で一級建築士を取得した人は、「いっきゅうけんちくしい~い」とわめきまくると、「建築専門学校卒」と一緒にされてしまうからと思うのか、あまり言わなくなる。
  「建築家」になると、さらに怪しい。日本には「『世界の丹下健三』のエピゴウネンのエピゴウネンになりたいなりたいシンドローム」みたいのが大量にいる。そもそも、一級建築士・二級建築士・木造建築士は国家資格だが、「建築家」なんて資格はないのであり、どうすれば「建築家」になることができるかというと、名刺に「建築家 鉄野木造」と印刷して配ればそれで「建築家」とか、ラーメン屋みたいにヒゲはやせば「建築家」とか、まあ、そんなもんだ。建築のセオリーに反した無茶苦茶な物を設計すれば「建築家」とか思ってるにーちゃん・おっさん(フリーダムアーキテクツデザイン(株)〔本社:東京都中央区。社内公用語は大阪弁。〕https://www.freedom.co.jp/ なんかにいっぱいいるような人)もいるが、そんな「建築家」に担当された施主や隣家は迷惑で災難だ。

  ともかく、一級建築士の資格は持っていて悪いことはないし、名刺に氏名の下に「一級建築士」と入れるくらいは入れて悪いこともない。私だって、名刺の氏名の下に「インテリアコーディネーター」とか「宅地建物取引主任者」(現 宅地建物取引士)とか入れていたし。 又、↑のような工事をおこなっている際には、他の資格はともかく、建築士については一級建築士の資格を持っているのか、二級建築士なのか、建築士の資格は持っていないのかはきっちりと名のった方が良心的である・・・が、「いっきゅうけんちくしい~い」と言われたからといって、特別にありがたがる必要もないし、「一級建築士なんて、掃いて捨てるほどいてる」。 「いっきゅうけんちくしい」とか言ってよっぽどエライみたいに思う人はアホである。私なんか、「(人にもよるとしても、一般には)弁護士なんてアホや」というのと同様、「(人にもよるけれども、一般には)一級建築士なんてアホや」と思っている。ましてや、「建築家ぶりっこぶりっこ」なんて「バッカじゃなかろかルンバ♪」と思っている。

  ブルーノ=タウト『建築とは何か』(篠田英雄訳。1974.鹿島出版会 UP選書)所収のブルーノ=タウト『建築に関する省察』の「機能」には、
≪ スカイスクレーパーでは、円滑に運転するエレベーター、通風、暖房およびその他の諸設備がそれぞれすぐれた機能をもっていれば、それで<万事よろし>である。だが、なぜますます高大なビルディングが建てられるのか、またなぜ幾つも幾つも並んで建てられるのか。ビルディング相互の交通を緊密にして仕事の便を図る為成のか、――いや、そうではない、こういう長所は、あとから取ってつけた理屈である。とはいえスカイスクレーパーにも何か好処があるにちがいない。もともとスカイスクレーパーは、土地投機によって生まれたものである。建築物が高くなればなるほど、地価はますます高騰する。それだからスカイスクレーパーの階数の多少は、とりもなおさず地価の高低を示すバロメーターである。だがこれは商業的な事情であって、釣合いではない。
いったいなんのためにスカイスクレーパーを建てるのか、この問いに対しては、こう答える人があるかもしれない、――<この塔上から遠方を眺め、また遠方からこの高層建築物を望見するためである>と。しかし一応そう考えてみたところで、これほど数多くのスカイスクレーパーが林立したら、そのようなことは不可能である。それともまたできるだけ多数の人たちを、この直立した<箱>の中に収容するためだろうか。だがわれわれの感情は、おびただしい窓が篩(ふるい)の目のように上下に連なっているこの高層建築物に反発を感ぜざるを得ない。スカイスクレーパーは、地下に50階をもち、中空にもさらに多くの階数を重ねることができる、しかし見る人の感情に安らかさを与えるような<頭も足も>もっていないのである。実際、スカイスクレーパーは、<不可能事>を<建築>したようなものである。互いに接近して立つビルディングから吐き出される莫大な人数は、とうてい街路に収容しきれるものでない。スカイスクレーパー相互の間の釣合いもなければ、またおのおののスカイスクレーパーとその周囲とのあいだの釣合いもない、――要するに最も肝要な機能が欠けているのだ。
それだからスカイスクレーパーは、けっして建築の課題になり得ないのである。これがわれわれの感情に与える影響は、巨大な技術的構築物に似ている。われわれの感情を驚動するのは、その途方もない容積であり、またその粗大な姿である。ところがスカイスクレーパーの讃美者たちは、これを突兀(とっこつ)たる山岳に比して、得々としているのである。スカイスクレーパーのいっさいの特性は、個人の存在を圧迫してこれを無たらしめる、だが讃美者たちの叙情的興奮も、つまるところはここに由来するのである。ところでこのような反応は、およそ建築によって呼び起こされる反応とは、まさに正反対のものである。建築がいかものだと、その建築物は見る人の感情に異常な緊張を生ぜしめる。それは――ある場合には、膨大な建築物と対比して、自己の眇(びょう)たる存在を痛感するし、また他の場合には、感情はあたかも風船玉のような空疎なふくらみ方をする。これは建築物が釣合いを備えていれば、これを観照する人の心は安らかな落ち着きを得て、その美に単純、平静な幸福を感じる、そしてこの幸福は、およそ興奮や狂熱とはいささかもかかわりないのである。
アメリカでも物のわかった人たちは、スカイスクレーパーに背を向けている。この人たちは、スカイスクレーパーをビジネスの<発疹>とみなしているばかりでなく、美的に嘔吐をすら感じているのである。
およそ巨大な容器をもつ建築物は、人の心にゆゆしい結果を生ぜしめる。人は小さなものによって美を創造できなくなると、それにつれてますます巨大な容積の意義と価値とを狂信し、このような容積そのものを美と思いなすのである。
こうしたスカイスクレーパーは、まじめな建築家たちをその魔圏の中へ引き込んだ。彼らは、必要な距離を考慮し、また適当な場所に建てさえすれば、スカイスクレーパーの問題を解決できると信じた。そこで彼らが設計し建築したものに<高層建築>という名称を付して、これに建築的釣合いを与えようとした。実際にも、それが<高い建築物>であって<塔>でない場合には、ある程度の解決を求め得たこともある。いずれにせよ突兀と聳える建物の中に、上から下までおびただしい人間(ここに住むと、ここで働くとを問わず)をぎっしり詰め込むのは、蜜蜂ならぬ人間にはふさわしからぬ状態である。建築物は罐詰ではない、建物が人間の生活をむりやり圧迫すると感情全体がこれに反発する。また、家屋にリズムがないと、――もっとはっきり言えば、釣合いがないと、多くのジードルングに見られるように、ソーセージの切片を並べでもしたかのような印象を与え、われわれの感情にスカイスクレーパーの場合と同様の不快な反応を生ぜしめるのである。 ・・・≫

   建築は、↑に引用した尾島俊雄の指摘や、ブルーノ=タウトの考察など、そういったことを考えた上でおこなうものである。そういったことを考えた上でおこなうことができる者が優秀な「建築家」であり建築士であるはずである。「津田沼 ザ・タワー」の設計者は≪株式会社フジタ 一級建築士事務所 一級建築士 赤木寛≫という人らしいが、赤木寛さんが自分で担当したのか、「名義貸し」であって実際は他の人間が↑の「津田沼 ザ・タワー」の設計を担当したのかはわからないが、尾島俊雄の指摘やブルーノ=タウトの考察などを考慮した上でおこなったとは思えない。

   1998年、イタリアのカンパーニャ州のソレントに行った時に泊まったホテルは背後に岩山の絶壁があった。日本で予約できるホテルとしては、ナポリの市街では比較的安いホテルもあったが、ソレントになると高めのホテルしか予約できるホテルがなかったので、そこで安めの金額で予約したからか、海の方を向いた部屋ではなく、絶壁の方を向いた低い方の階の部屋だった。そのため、窓の外は絶壁の岩肌しか見えなかった。もっとも、そのホテルで「保養」するつもりで行ったのではなく、夜、宿泊するためだけの目的で、昼間はホテルの部屋にはいないので、ホテルの部屋からの眺めは私にはそれほど重要ではなかった。そのホテルだが、「世界中を巡ってきた人も、こんなに美しい所はないと言うよ」と「帰れ、ソレントへ」の歌に歌われるソレントの街で、ソレント湾を見下ろすように岩山の際に高く建っていたのだが、「さすが」と思ったのは、そのホテルは背後の岩山より少しだけ低い高さに高さを抑えて建てられていたのだ。決して、背後の岩山より高い建物は建ててはならない・・とこのホテルの設計者は考えたのか、それとも、ソレントの行政がそういう規制にしたのか、どちらかはわからないが、そうなっていた。建築とはそういったことを考えておこなうものではないか。〔⇒《ニコニコ動画 帰れ、ソレントへ byパバロッティ》https://www.nicovideo.jp/watch/sm4354074 〕
   パリのモンパルナス地区にモンパルナスタワーという高層ビルがある。モンパルナスというと、モンパルナス墓地があり、そこにジャン=ポール=サルトルの墓がある。モンパルナスタワーは「タワー」と言われるけれども、エッフェル塔とか東京タワーとかのような塔ではなく高層ビルである。上の方の階に展望室がある。2001年、パリに行った際、私はモンパルナスタワーの展望室まで行ってパリの街を見てきたが、モンパルナスタワーというのは、なぜ、そこに高層ビルが1つだけ建っているのか。 当初、モンパルナス地区に高層ビルをいくつも建てようという計画が出たらしい。しかし、最初の1つ、要するにモンパルナスタワーと今言われるビルが建った時、パリの市民は、パリの景観を破壊するこのような高層ビルを建てるというのはけしからんと反対し、その結果、最初の1つだけで留まり、その後の物は建てられることはなくなったため、1つだけ建っている最初の高層ビルが塔のようだということで「モンパルナスタワー」と言われるようになった、らしい。
  「高さを誇るなどというのは、後進国の発想だ」と愛知産業大学の建築学科のスクーリングの際、M先生が言われたが、私もそう思う。むしろ、その高さがその場所にふさわしいのかどうかを考える思考ができるかどうかの方が大事であろう。パリでモンパルナスタワーが建った後、この場所には高層ビルはこれ以上建てるべきではない、建てさせるべきではないと考えた人は、ともかく、高層ビルを建てればいいと強迫観念を持っている人間よりもはるかに文化的であろう。 日本で日本国民と日本の行政、各市役所の都市計画課、それに実際の設計者がそういった思考ができるかどうか。 そのあたりを、これまでのところを見ると、日本人というのは、日本の市役所の担当者というのは、日本の設計者というのは、必ずしも、文化的と言えない、文化的水準が高いとは言えないように思える。
   私は、↑の「津田沼 ザ・タワー」は建築として下品で野蛮であると思っている。
  設計者の「株式会社フジタ 一級建築士事務所 一級建築士 赤木寛」さん、どう思うか? もし、意見をきくとすると、設計者である赤木寛さんであろう。設計者でない「株式会社オリジナルワーク一級建築士事務所」の高浦さんに尋ねてもしかたがないだろう。

   次回、この「先住戸建住民の居住環境を破壊する『津田沼 ザ・タワー』」について、船橋市都市計画課と習志野市都市計画課の対応について述べたい。

  (2019.6.24.)

☆ 習志野市「津田沼 ザ・タワー」(工事中)の横暴!!!
[第455回]戸建住民の居住環境悪化を招く 都心でもない場所での高層マンション建築に受忍義務があるのか? https://tetsukenrumba.at.webry.info/201905/article_3.html
[第463回] 高層マンション「津田沼ザ・タワー」による居住環境破壊。商業地域に住居マンションは不当。勝手に自然改変 https://tetsukenrumba.at.webry.info/201906/article_8.html
[第464回] 「津田沼ザ・タワー」は下品で野蛮。事業者・設計者・開発行為事業者でない者になぜ問合せさせようとする? 〔今回〕
[第465回] 商業地域の容積率を悪用する「津田沼 ザ・タワー」。及、都市計画しない習志野市都市計画課 https://tetsukenrumba.at.webry.info/201906/article_10.html
[第466回]「津田沼 ザ・タワー」の確認票他+死人が出る可能性がある三菱地所レジデンスと(株)フジタの工事現場https://tetsukenrumba.at.webry.info/201906/article_11.html
[第467回]「津田沼 ザ・タワー」宅地建物取引業の票。ももんがあのような茶碗のかけらのような野蛮な高層マンションhttps://tetsukenrumba.at.webry.info/201907/article_1.html 


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