国立新美術館と「安藤忠雄展」【6/6】別館(旧陸軍歩兵連隊兵舎)、光線で変化する外観、木の屋外使用

[第333回] 東京圏の美術館・博物館(12)-6
   国立新美術館の本館の前に、もうひとつ、似た外観で小ぶりの建物がある。↓
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   ↑ 国立新美術館の別館 のはずである。
   《ウィキペディア―国立新美術館》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%96%B0%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8 には、≪ 前庭に歴史的建造物で二・二六事件ゆかりの旧歩兵第三連隊兵舎が一部分保存される。第二次世界大戦後は東京大学生産技術研究所等として使われていた。研究所が駒場に移転し、取壊し予定であったが、保存要望の声に配慮し、一部分を残したものである。≫と出ているのだが、↑の写真など見ると、そして、「地下」というのか、入口を基本とすると1階なのだが、その入口を入ってすぐのスペースに、陸軍第一師団歩兵第三連隊兵舎の立体模型や東京大学生産研究所の歴史を書いた表などが展示されているのだが、その内部にしても、新しそうな感じがする。 これが、旧陸軍第一師団歩兵第三連隊兵舎 なのお? 国立新美術館を建てる時に新たに建てたものと違うのお? て感じがする。
   現地での説明書き↓ には、
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≪ この建物は、1928(昭和3)年に旧 陸軍第一師団歩兵第三連隊の兵舎として建設されました。 独立した階段を中心に合理的・機能的に配置された居住単位、「日」の字を形取りし配置された建築構造、アールデコ調のデザインを取り入れた外観など、ビルディング・タイプのモダンな建物として、わが国の戦前の近代建築の中でも注目すべきものでした。 戦後、在日米軍に接収されましたが、1962(昭和37)年に東京大学生産技術研究所が移転し、以後、同研究所が2001(平成13)年に東京・駒場に移転するまで使用されました。(一部は東京大学物性研究所として使用) 国立新美術館建設に伴い、建物は解体・撤去されることとなりましたが、建築上の歴史的価値に鑑みその一部が保存され、内部を改装の後、国立新美術館別館として活用されています。≫
と書いてある・・・が、どうも、↑の写真なんか見ると、新しく作られた建物という感じがしてしかたがない。
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↑ の図をよくよく見ると、↑の最初の写真の面は、もともと、建物の内側だった面らしく、その部分は後から作ったのであって、昔からの建物の面を見たければ、↑の写真の面ではなく、その裏側(もともとの陸軍第一師団歩兵連隊兵舎の建物としては表側)を見ないと、わからないようだ。 で、写真は撮らなかったが、そちらも見たのだが、そんな古い感じの外観ではなかったように思ったのだが、どうも、もう一度、行って見ないといけないことになりそうだ。『国立新美術館を遊びつくす』(2017.6.1. セブン&アイ出版)の「未来の世界遺産 黒川紀章設計の建物」に掲載されている写真を見ると、たしかに、↑の裏側というのか表側というのかは、陸軍第一師団第三連隊兵舎という感じの外観ではある。


   ↑の図を見ると、現在は東門が正門になっているけれども、陸軍第一師団第三歩兵連隊兵舎であった時は、現在の西門の方が正門のような性格を持っていたのではないかという感じである。

   「東大生産技術研究所」は、JR「西千葉」駅の前の千葉大の西千葉キャンパスの一角をグイッとえぐりとるようにして存在している。千葉大を卒業した人にきくと、「そうそう。グイッとえぐりとられてるんですよ。 あれを見ると、ああ、やっぱり、千葉大って東大より下なんだなあ、と実感させられる」なんて言っていたことがあったが、六本木にも「東大生産研究所」はあって駒場に移転したらしいが、西千葉にある東大生産技術研究所と六本木にあって駒場に移転したという東大生産研究所は、同じなのか別なのか、どちらなのだろう。

( ↑ 千葉大の西千葉キャンパスを“えぐりとるように存在する” 東大生産技術研究所。 ) 

   国立新美術館の南面の外側に、地面と平行くらいにガラスの板が何枚も出ているのだが、あれは、単にデザインの上でとりつけられたものか、それとも、南面から太陽光が入る際に、そのまま入ると南側のホール部分がまぶしいので、太陽光の入り具合をいくらか制限するためのものなのか、南面の透明のガラスは中から外も、外から中も見えるが、あまりにもスケスケでは具合が悪いので、外からの視線をある程度遮るために設けられたというものなのか、あれは動くのか動かないのか、動くことは動くが開閉式ドーム球場でも屋根の開閉に相当カネがかかるらしいのと同様、動かすのにカネがかかるからめったに動かさないのか、そのあたり、どうなんだろとか思ってきたのだが、的確な答えが書かれたものを見つけることができずにいる。
   その壁面に、逆V字型に模様が浮き出ていた。↓
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磯崎新 設計の つくばセンタービル と、御茶ノ水スクエアA館 の建物はタイル貼りだが、そのタイルの部分が、歩きながら見ると、陽の当たり具合で、色合いが変って見える。これは、そういう種類のタイルを使用したことによるものなのか、それとも、特別のものを使用しなくても、陽の当たり具合によって色合いが変って見えるものなのか、どちらだろうか。 いずれも、磯崎新設計の建物であるというところを考えると、そのあたりを考えてそのタイルを使用したということか・・・・とか思ったのだが、↑の国立新美術館で、陽に当たって逆V字型のもようが浮きでたものなどは、特別の物を使用したからではないと思うのだ。 それとも、陽があたった時に、↑のような模様が浮き出るように考えて、あのキャタピラみたいのは作られたのだろうか・・・。

   国立新美術館の1階ホールの北西の隅から北側に出る通路があり、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅に直結する。 国立新美術館の建物からすると、裏口みたいな出入口だが、前回の訪問時も思ったが、↓の通路の雰囲気はなかなかいい。
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   この通路の床板は、木製。↓
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↑ 木製のものを屋外で使用すると、雨に濡れて傷みやすいという欠点があるが、屋外で木製の物を使用する場合、防腐防蟻剤を加圧注入したもの、表面を焼いた焼杉のようなものなどが考えられるが、これはどういう処理のものなのだろうか・・・・。 加圧注入剤なら緑っぽい色が一般的だが、それに塗装したのか・・・・? それとも違うような感じがするのだが・・・。

   乃木坂駅 出入口より見た 国立新美術館の北面。↓
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↑ いわば、建物の背中にあたる面。 裏面とも言えるが、裏面は裏面で、工夫がされている。 そのあたりが、「建築屋」ではなく「建築家」の設計によるものと言えるかもしれない。 どうも、「建築屋」は建物の正面側とそのすぐ横くらいしかデザインを考えず、裏面は「あまり見えないからいいでしょ」としてしまうところがあるが、「建築科」はそのあたりは、きっちりしている場合が多い・・・・のだが、国立新美術館の場合、やっぱり、裏面という感じか・・・・・な・・・。

   1992年、東京都江東区潮見、JR京葉線「潮見」駅のそばにあった「ウッディランド東京」(今はなくなり、前半分がヤマダ電機になり、後ろ半分がマンションになったが、前半分のヤマダ電機潮見店も今はなくなった)に、国産材を使用している会社のみの住宅展示場というのがあって、(株)一条工務店の東京展示場がそこにあった。 「ウッディランド東京」は林野庁が国産材の使用促進のために設けた施設で、木材にはこんな使いかたもあるというものを展示していたのだが、レンガと同じくらいの大きさに切った木材に防腐防蟻剤を加圧注入した「木レンガ」を地面に敷いていた箇所があったのだ・・・・が、晴れた日はいいのだが、「木は石や鉄・コンクリートなどよりも軽い」というのは長所にもなれば短所にもなる性質で、雨が降ってくると、その木レンガの下に水がたまって浮いた状態になってしまうのだ。それで、その木レンガの上を踏んであるくと、ぶしゅっとその下の水がまわりに吹き出すので、とても、歩けたものではなかった。 「木は軽い」というのがマイナスに出たものだった。 木レンガを屋外で地面に敷いて使うというのは、「軽い」という点で、石やレンガを敷くようなわけにはいかないということを、そこで実際に水に浮いた木レンガの上を自分の足で踏んで、カラダで認識した。

( ↑ 江東区潮見 「ウッディランド東京」があった場所。 )
   その後、大阪府箕面市 の阪急「箕面(みのお)」駅の東側で、屋外に木の板を敷いた施工を見たが、一時期、雨の時に弱点を見せていたが、その後、施工をし直したようで、木製の板の下に排水路を設けて、少々の雨なら、板の下の排水路を流れて行き、板は固定されて水が板の上にたまったり板が水に浮いたりはしないようになった。

( ↑ 阪急「箕面」駅の東側、木製の板が屋外で使用されている箇所。)
この国立新美術館の乃木坂駅に至る経路もまた、屋外に板を貼っても、雨の時に木製であるがゆえに問題が発生するということはないように施工されているが、阪急「箕面」駅の東側と同じ方法ではないか。

   (2017.11.21.)

☆ 国立新美術館と「安藤忠雄展」
1.大江戸線「六本木」駅と千代田線「乃木坂」駅 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201711/article_7.html
2.外の円盤と屋内の逆円錐形の連動 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201711/article_8.html
3.逆円錐形の内部。ワイヤーの安全性 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201711/article_9.html
4.復元「光の教会」。信仰の教会と結婚式場用「教会」を一緒にするな。http://tetsukenrumba.at.webry.info/201711/article_10.html
5.「挑戦」させてもらった男と、させてもらえなかった男 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201711/article_11.html
6.別館(旧陸軍歩兵連隊兵舎)、光線で変化 〔今回〕

☆ 国立新美術館と「ルノワール展」
国立新美術館(港区)(黒川紀章+日本設計共同体)
1.日比谷線「六本木」駅から国立 新美術館へ http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_1.html
2.外観。正面「円盤」の内部。 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_2.html
3.内部 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_3.html
(番外) [第251回]《屋上・バルコニー記事に関し、フリーダムアーキテクツデザイン(株)から脅迫まがいの文句を言われた件》http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_7.html 

☆ 東京圏の美術館・博物館
東京都
東京都美術館(台東区)(前川國男設計)とピーテル=ブリューゲル1世「バベルの塔」展
1.「ピーテル=ブリューゲル1世」とは。屋外燈の高さ http://tetsukenrumba.at.webry.info/201706/article_6.html
2.上野公園内における東京文化会館と東京都美術館 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201706/article_7.html
3.美術館へのアプローチ、「囲う」手法による美術館領域 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201706/article_8.html
4.高さを競う愚か、美術展と音楽会、公立進学校のメリット http://tetsukenrumba.at.webry.info/201706/article_9.html

東京都美術館と「ボストン美術館の至宝展」(台東区)(前川國男)
1. ゴッホと佐伯祐三の「郵便配達夫」http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_1.html
2. とがったオブジェは端 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_2.html
3. なぜルノワールか。発掘して自国に持ち帰る是非。http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_3.html
4. 東面のプランター http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_4.html
5. 北口・博物館動物園駅・池田家黒門・自由な女神http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_5.html
6. 通用門・事務棟・西面・公募展棟南面・椅子の背が窓から見える窓http://tetsukenrumba.at.webry.info/201710/article_6.html

国立西洋美術館「常設展」「ル・コルビュジェの芸術空間」展。
1. 展示作品と美術館の調和 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_1.html
2. 新館と中庭 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_2.html
3. モネの睡蓮は・・ http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_3.html
4. ロダンの「考える人」って・・ http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_4.html
5. 免振装置 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_5.html
6. 西美にルーツがある? と思える前川國男の建築 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201708/article_6.html

根津美術館(港区)(隈 研吾) http://tetsukenrumba.at.webry.info/201603/article_1.html
サントリー美術館(港区)(「東京ミッドタウン ガレリア」内。 サントリー美術館の設計は隈研吾)
上 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_6.html
下 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_7.html

畠山記念館(港区)
1. http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_4.html
2. http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_5.html
3. http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_6.html

パナソニック汐留ミュージアム(港区)
http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_4.html
http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_5.html

東京国立近代美術館「茶碗の中の宇宙‐楽家一子相伝の芸術」展他見学
1. 国立美術館・国立博物館とは。私の毎日新聞社への思い出 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_7.html
2. 竹橋。企画展を追いかける弊害。「茶道」と相性が合わない理由。http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_8.html
3. 抹茶・緑茶と茶碗の調和。パブロフの犬みたいな「デザイナー」 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_9.html
4. 東京国立近代美術館内部、皇居への見晴らし http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_10.html
5. 東京国立近代美術館 工芸館(近衛師団司令部庁舎)、乾門http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_11.html
6・ 毎日新聞社ビルのでっかい土管の中は何? http://tetsukenrumba.at.webry.info/201704/article_12.html

千葉県
千葉市立美術館(千葉市中央区) http://tetsukenrumba.at.webry.info/201307/article_2.html

神奈川県
三渓園内 三渓記念館(横浜市中区) http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_4.html


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