なぜ原発推進した歴代自民党政治家でなく菅直人を告発? と、なぜ原発推進した教授でなく早川教授を懲戒?

[第195回]
   福島第一原発事故に関して、業務上過失致死傷容疑で告訴・告発された菅直人元首相と東電・勝俣恒人前会長らが不起訴になったそうだ。
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(YAHOO!ニュース)
福島原発事故、全員不起訴=東電元幹部や菅元首相ら―検察当局
時事通信 9月9日(月)13時42分配信  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130909-00000062-jij-soci
  東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された勝俣恒久前会長や菅直人元首相ら当時の東電幹部と政府関係者など計42人と法人としての東電について、検察当局は9日、不起訴処分にした。検察は事故原因を津波と断定した上で、「誰も想定していなかった規模の地震と津波が発生することを具体的に予測するのは困難だった」として、対策を講じなかった東電などの責任は問えないと判断した。告発した市民団体は検察審査会に審査を申し立てる。
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  一方、事故発生直後の対応について告発された菅元首相と枝野幸男元官房長官、海江田万里元経済産業相については、「(爆発を防ぐため蒸気を外部放出する)ベントの実施命令が遅れたとは認められない」などとして、嫌疑なしとした。 
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   東電の前会長らに対する告訴告発と菅直人元首相らに対してのものは理由が異なるようです。 菅直人元首相らに対しては、福島第一原発事故の後の対応が不適切であったのではないか、特に、「(爆発を防ぐため蒸気を外部放出する)ベントの実施命令が遅れた」のではないか、という批判らしい。
   私が最も違和感を覚えるのは、原子力発電所という危険極まりないものを、日本全国に建設しまくり、操業を続けてきたのは、歴代の自民党政権であり、原子力発電所という危険極まりないものを建設・操業しまくってきた政治家が訴えられるのではなく、実際に事故が起こった時に総理大臣であった自民党でない政党の政治家が訴えられているという点です。 もしも、たとえ、菅直人元首相の対応に不適切なところがあった場合においても、原発建設・操業を推進してきた政治家が訴えられずに、実際に事故が起こったその時に総理大臣であった政治家が訴えられているというのは、何か不自然というのか、本来、訴えられるべき者が訴えられず、原発建設・操業を推進した者ではなく、その時に総理大臣であった者の対応の方に責任があるのだと責任を転嫁するためになされているのではないのか? という疑問を感じる。 

   原発事故の後、2011年の終わり頃、火山の噴火の影響の研究成果から福島第一原発から出た放射性物質の拡散についてのデータを公表した群馬大学の早川教授が懲戒処分を受けたということがあり、このブログでも、[第67回]《群馬大学学長による早川由紀夫教授に「不適切な発言」という不適切な訓告、及、JA福島の不適切な発言 》http://tetsukenrumba.at.webry.info/201112/article_2.html で述べた。 何を理由としての懲戒なのか、≪ツイッター上で放射性物質による汚染の拡大などに関してさかんに言及。 「福島県内でセシウムに汚染された米や牛を育てる行為は、サリンを製造したオウム信者と同じ」という趣旨の発言を繰り返し行っている。 同大学広報部の担当者は8日、「早川氏の発言は福島県の農家らを傷つけるもの。繰り返し注意を行ったが、改まらないため、訓告に踏み切った」と語った。≫ということらしいが、要するに、早川教授のツイッターなどでの表現が穏やかな表現ではないということらしく、早川教授のインターネット上でのすべての表現を見ていないので、有益な発表をされているけれども、ある時において、たとえ部分的にでも適切とは言えない表現があったのか、それとも、まったくの言いがかりなのかは断定できない・・・・が、ここで、最も違和感、というより、どう考えてもおかしいじゃないかと思えるのは、原子力発電所という危険極まりないものを、安全で~す、心配ありませ~ん、みたいなことを言って推進してきた教授先生は、なぜ、懲戒されないのか、なぜ、誰も懲戒処分を受けないのか? という点である。 早川教授のインターネット上での発言に、もしも、最適と言えない表現があったとしても、危険極まりない原発を安全であるかのごとく主張して推進してきた教授先生に比べれば、それがどうした? という程度のものではないのか? 
   さらに言えば、 「にこにこしている人の所へは放射能は来ません」とかなんとかぬかした山下某の方こそ、よっぽど過激な発言をしているのであり、もし、福島第一原発事故の後での大学教授の発言の中で、過激で福島県の人たちの気持ちを傷つけるものといえば、山下某の「にこにこしている人の所には放射能は来ません」という発言こそ福島県人をバカにしている、福島県人の気持ちを踏みにじっているのと違うのか? 山下某の発言こそ懲戒されるべきものではないのか?  山下某が懲戒されず、早川教授が懲戒されるというのは、どう考えてもおかしい。

   菅直人元首相は、東京工大卒で、理系学部卒の政治家であり、文・法・経済学部卒の首相の時に事故が起こるよりも、理系学部卒の菅直人が首相の時に事故が起こった方が国民にとっては幸いであった、そして、文・法・経済学部卒の首相よりは自分の方が適切に対応できるはず・・と事故直後は、菅直人は思ったようだが、福島第一原発事故の規模はその程度のものではなかったようだ・・・が、いずれにしても、原発を推進してきた歴代の自民党政権の推進してきた政治家が、「未必の故意」があったということで殺人罪で告訴・告発されたというならわかるのだが、それをされることなく、事故が起こった時に総理大臣であった者を、その対応が不適切だったとして告訴・告発がなされている・・というのは、どうも、違和感を覚える、というのか、もしかして、原発を推進してきた自民党政権の責任を隠ぺいするために、その時に総理大臣であった者と事故が起こった時の政権政党が悪いのだということにしてしまおうという意図でも働いているのか? という疑問を感じる。

   もうひとつ。 なぜ、東電ばかりが批判されて、危険極まりない欠陥商品である原子力発電所というものを設置した、欠陥商品を東京電力に売りつけた日立・東芝が批判されないのでしょうか?
   変だと思いませんか?

   「菅降ろし」にしても、菅直人よりも良心的な側からの菅降ろしなのか、菅直人よりも悪質な側からの菅降ろしなのか、どちらなのだろうかと思ったが、どうも、良心的な側からのものではなかったような印象を受ける。 菅直人が首相と民主党の代表を退いた後、候補者に出た中に「原発再稼働の海江田」がいて、そして、野田佳彦をはさんで、その海江田が民主党の代表になった。 
   菅直人は、ともかくも、「脱原発」を言った。 そして、ともかくも、浜岡原発を停止させた。 ストレステストをするということで、原発再稼働を遅らせた。 福島第一原発事故の対応については、最適でない部分もあったかもしれないが、福島第一原発事故直後、東電が福島第一原発から東電職員を全員退避させると言った時、そんなことは認められないと制止してなんとか現場で対応させるようにした。対応に最適でない部分もあったかもしれないが、他の人間が首相なら菅直人よりも問題の多い対応であった可能性は少なからずある。 菅直人が告訴告発されたのは、もしかして、菅直人が、ともかくも、「脱原発」を首相として言ったからではないのか、首相を退いてからも「脱原発」を発言しているからではないのか? 

  雁屋哲 作・花咲アキラ 画『美味しんぼ(おいしんぼ) 110 福島の真実(1)』(2013.9.4.小学館 ビッグコミックス)には、
(山岡士郎)「ある大臣が福島を視察した後、死の町みたいだったと言ったら、新聞、テレビが、大臣は福島の人たちの心を傷つけたといって、口を極めて非難した。」 
(飛沢周一)「結局、大臣は辞任させられた。」 
(岡星良三)「それはおかしい。 福島の人たちが傷ついたのは、自分たちの町から追い出されたからだ。」
(山岡士郎)「追い出されて、どこにも生きた人がいない。 死の町と言う以外の言い様があるというのか。
(海原雄山)「真実を知らせたくない人間。 何もかもうやむやにごまかしたい人間。 そしてその嘘の上塗りに手を貸すマスコミ。」
(富井富雄)「卑怯者!  真実を見ろ! 真実を語れ!誰がこの死の町を作ったんだ! 
 という場面がある。

   菅直人元首相の対応に不適切な部分があったのなら、批判されていいと思いますが、原発の建設・操業を推進してきた歴代自民党政権の原発推進政治家が批判されることなく、もしくは、原発の建設・操業を推進してきた歴代自民党政権の原発推進政治家への批判をかわすことを目的に、事故が起こった時に首相であった自民党でない政党の政治家を攻撃するというのであれば、それは、あんまり立派な態度ではないように思います。
   放射性物質の拡散について良心的に情報を発信した早川教授に対して、仮に、部分的にでも最適でない表現があったとしても、原発を安全であるかのように言って推進してきた教授先生が誰も懲戒されず、「にこにこしている人の所には放射能は来ません」などと福島県人をバカにした発言をおこなう山下某が懲戒されないで、早川教授が懲戒される、というのは、たとえ、表現に最適でない部分があったとしても、どう考えてもおかしい。
   東電が批判されるのは当然であるとしても、東電が矢面に立っているのが、東電が集中攻撃を受けているのは原発を設置した日立・東芝を守るためなら、それもおかしい。

   オリンピックの開催地に東京が選ばれて、株価が上がったのは、下がるよりも良かったかもしれないが、汚染水の問題その他、福島第一原発の問題は解決していないのに、問題がないかのように外国に向けて発言した安倍晋三の発言が評価されてしまった、というのは、むしろ、大きく不安を感じる。
   まさか、安倍晋三は、福島第一原発の現状に問題点はないなどと本気で思っているわけではないだろうけれども。 本気で思っているのか、それとも、問題があるのに問題がないように思わせようとしているのか?
   いずれにせよ、東京がオリンピック開催地に選ばれたのは、たとえ、株価が上がっても、無条件に喜べない。 もし、日本で開催にしても、東京ではなく、九州か北海道の都市が立候補して選ばれた方が良かったのではないかとも思う。 福島第一原発事故の影響があるのにないということにしてしまおうという動きに力が加わらないか、不安を感じる。
   
だいたい、日本では、東京になんだかんだ集中し過ぎている。
   実際に東京五輪が開催される年になった時、福島第一原発事故による放射能汚染で健康を害して他界する人などがその頃になって続出している・・・・なんてこと、ないとは言えないような気もするが・・・・・。
       (2013.9.10.) 

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2013-08-30
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↑ 110「福島の真実 1」

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2012-10-30
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↑ 109「日本全県味めぐり 島根編」〔松江市鹿島町片句に 島根原発がある島根県の食について〕

美味しんぼ 104 食と環境問題 (ビッグコミックス)
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↑ 104「食と環境問題」〔(7)(8)(9)で青森県の六ヶ所村核燃料再処理施設と周辺の水産業をとりあげる〕

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