東京都美術館と「ブリューゲル展」【3/7】要塞 動物園前交番。仁こそ人の安宅vs裁判所・警察。五重塔

[第349回] 東京圏の美術館(13)-3 
   JR「上野」駅の公園口の改札を出て信号のある横断歩道を渡るとそこは東京文化会館。 東京都立らしい東京文化会館と国立西洋美術館の間の通路を西に進む。↓
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右手に中央噴水と上野警察署 動物園前交番。動物園の入口の目の前にあるわけでもなく、むしろ、上野動物園よりも国立西洋美術館や東京文化会館の方が距離としては近いし、上野公園の真中あたりにあるので、「上野公園交番」でも良さそうな感じがするが、「動物園前交番」らしい。↓
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( ↑ 警視庁上野警察署 動物園前交番。 東側から見たもの。)
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( ↑ 警視庁上野警察署 動物園前交番。 西側から見たもの。)

( ↑ 犬マークが 警視庁 上野警察署 動物園前交番。 ☆1つ=日光の手前=今市。)
   装甲車みたいな頑丈な造り。建物の外壁面はけっこう厚い鉄板でおおわれている。四方に塔みたいなものが建っていて上部で外部に向けて花びらのように広がっているのはデザインの上でそうしたかのようにも見えるが、実際はそうではなく、投石・火炎瓶、もしくは、ロケット弾といったものを撃ち込まれた時に、四方に花びらのように広がった鉄板で受け止めるためということだろう。 そう思って見ると、こわそ~な外観だね。交番・警察の類は、一般に、市民から攻撃を受けた時を考えて、防禦を頑丈に造られていることがあるようだが、それにしても、ここの交番は特にそれが顕著のように思えるのだが、襲われやすいのだろうか。
  「仁こそ人の安宅なり」と孔子はおっしゃったというのだが、この言葉は、常に人に対して「仁」をもって接しておけば、人から攻撃される心配などせずとも暮らしていける。「仁」で生きることこそ、安全な住宅を築くことになる、という意味だそうだが、↑の装甲車みたいな建物を見ると、なんか、よっぽど、ひとに恨まれてるのじゃないか、なんか、よっぽど悪いことしてきとるんじゃないか、て感じがする。
   霞ヶ関の東京地方裁判所・東京高等裁判所は、いつからか、入口で、弁護士と裁判所職員以外の人間が入館する際には、空港と同様のX線による検査をするようになった。

( ↑東京地方裁判所・東京高等裁判所。 ☆1つ=日光の手前=今市。)
裁判所に入るのに、いちいち、X線を照射されなければならないというのは、これは人権侵害ではないのかとも思えるのだが、そういうことをやりたがるということは、それだけ、裁判所というものが人から恨みを買うような対応をしているということではないか。人から恨まれるような判決を出しているということではないか。

   各都道府県の警察は、今は、東京都だけが「警視庁」で、それ以外は、府警・県警・道警だが、内田康夫『津和野殺人事件』(1984.光文社、2007.5.15.徳間文庫)によると、戦後すぐの時代に、大阪にも「警視庁」があるという時期があったらしい。
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  紀江は思ったよりしっかりした声で言い、小さく頭を下げた。三人は言われるまま、部屋に入り、紀江の枕元近くに座った。
「今日は東京警視庁の方はお見えではないのですか?」
 紀江は遠山署長に訊いた。 『東京警視庁』というのは、大阪警視庁があった頃の古い言い方だ。
「はい、下の勝蔵さんの事件は、現在、東京で捜査中でありまして、遺憾ながらその後、まだ進展がない模様です。・・・・
( 内田康夫『津和野殺人事件』1984.光文社、2007.5.15.徳間文庫)
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   私みたいな善良な市民は、交番なんてものは相手にしないように眼を合わさないようにさりげなく通り過ぎるようにした方がいいのだが、交番の脇に「旧町名案内 下町まちしるべ 旧 上野恩賜公園」と書かれた説明書きが出ている。上野公園は、なぜ、「恩賜公園」と言うのだろうかと前から思っていたのだが、その説明書きによると、≪ ・・・大正13年に帝室御料地だったものを東京市へ下賜されたことにちなんでいる。・・・≫ということらしい。 大正13年は1924年、「ひどく不合理(1925)、治安維持法」、治安維持法制定の1925年の1年前。

   南から中央噴水を経て東京国立博物館に至る通路を横切ると、正面に上野動物園が見えるが、そこを北西方向に進むと東京都美術館。 上野動物園の入口の方を見ると、入口の向こうに五重塔が見える。↓
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かつては、寛永寺の境内に上野東照宮があった・・というものだったようだが、今現在は、この五重塔は寛永寺の五重塔なのか上野東照宮の五重塔なのか・・・。 栃木県の日光東照宮では日光東照宮の手前に五重塔が装飾のように建っている。 日光は「2社1寺」と言って、東照宮と二荒山神社と輪王寺が「山内」と言われる場所に集まっているのだが、五重塔は日光東照宮に入る手前にあるので、あれは日光東照宮の五重塔だろう・・と私は思ってきた。 上野公園の五重塔も上野東照宮の手前に見えるので、上野東照宮の五重塔なのだろうと思って「必殺 仕事人」の里 上野東照宮に行くと、五重塔のそばに行けない。 どうなってんのと思ったが、どういう由来かわからないが、今現在は、五重塔の周囲は上野動物園の敷地になっていて、五重塔の周りを水どりがぺたぺた歩いているのだ。 上野東照宮は改装工事をしていたが、終わったのだろうか。今回は行けなかったが、なにしろ、「仕事人の里」であるから、遠くないうちに足を運びたい。 しかし、↑の写真など見てもわかると思うが、五重塔の横に見える高い建物、マンションなのか何だろうか、景観の上では、邪魔だね・・・・。
※ 《YouTube―必殺!BGMメドレー いざ、出陣!!!》https://www.youtube.com/watch?v=PyyTyb9F5iQ

( ↑ 「i」マークが 五重塔。 )

   動物園の入口が見える所を斜め右に進むと東京都美術館(前川國男設計)。↓
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   東京都美術館というのは、ある意味、けしからん美術館で、「これは見に行かなきゃ」という気持ちになる企画展を次々と開催するため、常設展で魅力的なものがある他の美術館に行こうと思っていた時間が奪われてしまうことになる、そういうけしからん美術館なのだが、それだけ何回も足を運んでも、飽きない! 又、何度言っても、新たな発見がある! というそういう美術館であり、そのあたりがよく考えて作られていると思う。 内田康夫が、どの作品だったか忘れたが、「作者 あとがき」だか「自作解説」だかで、推理小説を解説から読む人がいるらしいので、作品の結末をここで書くわけにはいかないが・・・といったことを書いていたと思うが、内田の作品は推理小説といっても純文学としても通じるのではないかと思えるものが多く、別に「推理」の結末を先に読んだから読む必要を感じなくなるものでもなく、又、一度、読んだものを二度三度と読んでも価値があるものであり、その点で多くのくだらないおとぎ話でしかない「推理小説」とは一線を画していると思う。 それと同じことではないかと思うのだが、東京都美術館は、美術展とは別に、美術館の建物を見学に足を運ぶ場合でも、一度行けばいいというものではなく、二度三度と足を運んでも価値がある美術館だと思う。 又、同じ前川國男の設計の美術館に熊本県立美術館があるが、熊本県立美術館に行った時、外観を見て、「なんだ、東京都美術館と一緒じゃないか」と一瞬思ったのだが、そうでもない。外観は似たところがあるが、違うところもある。そして、内部は全然違う。熊本県立美術館を見て、熊本県立美術館の方が独創的で画期的で斬新なところがあるような気がしたのだが・・・、そう思って、また、東京都美術館に行くと、そうでもない、東京都美術館は東京都美術館で熊本県立美術館に劣らず、優れた建物だと思う。 だから、私から他の美術館に行く時間を奪うけしからん美術館だが、そうやって何度も足を運ぶ価値がある建物でもあると思う。

   (2018.2.18.)

   次回、 球形オブジェ。「蹴ったらあかん」。私立の美大なんぞ行くな! http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_4.html

☆ 東京都美術館と「ブリューゲル展」
1.一族と非一族。「ブリューゲル」と「シュトラウス」・「小堀」 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_1.html
2.日暮里乗りかえJR上野へ。東京文化会館前の像は安井誠一郎。http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_2.html
3.要塞 動物園前交番。仁こそ人の安宅vs裁判所・警察。五重塔 〔今回〕
4.球形オブジェ。「蹴ったらあかん」。私立の美大なんぞ行くな! http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_4.html
5.正確に描くP=ブリューゲル1世とありえない木造「はなの舞」 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_5.html
6.カラフルな内壁・北口・カフェArt・「真珠をブタやるな」 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_6.html
7.倉庫型?博物館動物園駅南出口。エスカレーターは静止して乗りたい http://tetsukenrumba.at.webry.info/201802/article_7.html

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≪「事件を作るのはそんなに難しいことじゃない。いざとなればでっち上げでも何でもやるよ」
    男は静かに話始めた。年齢は50代半ば。ダークスーツの上からでも判別できる屈強な体躯が、ただならぬ威圧感を漂わせる。
たとえば、その気になれば、あんたをパクることだってできる。何もやってないのにって? そんなことは関係ない。大事なのは犯罪という『事実』があるかどうかさ」
  男は関東地方のある警察署に勤務する現役の「サツカン」だ。現場一筋のたたき上げ。殺人などの凶悪事件んを扱う捜査1課や暴力団犯罪を取り締まる捜査4課、薬物事犯の捜査に従事する生活安全課などを歴任した。
   その長いキャリアの中で、何度も「違法捜査」の現場を目の当たりにしてきた。・・・・ ≫
( 柳邦男「現役警官が暴露 これが警察のイカれた常識 犯人は“つくる”もの 」
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≪「いや、まあそうおっしゃらずに、ゆっくりお休みになっていてください」
 警部補が慌てたように、両手をひろげ、抑えつけるような仕種で言った。
「ええ、どうもありがとう。でも、さっきは実況検分に立ち会うようにとおっしゃったのではありませんか?」
「いや、あれはその、つまりお体の具合を知らなかったものですから・・・・。いえ、なに、お話を聴いただけで充分、状況は把握できましたので、もうその必要はありませんでして、はい」
 警部補は、「まあ、もうしばらくそっとしておられた方がよろしいでしょう」などとクドクド言いながら、慌てた様子で部屋を出て行ってしまった。
「何が必要なくなったですか、(警察庁刑事局長の浅見)陽一郎さんのことを知ったものだから、態度が変わったくせに。まるでわたしが犯人かなにかのような、口をきいていたのですよ」・・・・≫
≪ 「いいえ、あの警部補の態度は、明らかにわたしを犯人扱いしたものでした。あのときの非礼を思い出すだけで身震いが出るのです。なんとしても浅見家の人間の手で事件を解決しなければ、わたしの気がすみません。いえ、わたしのことはともかく、陽一郎さんやお父さまに申し訳が立ちませんよ。・・・・」 ≫
( 内田康夫『津和野殺人事件』1984.光文社、2007.5.15.徳間文庫 ↑) 

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