修学院離宮見学(2)下離宮・中離宮。 上段の間は非バリアフリー? 「棚」そのものを見せる霞棚

[第258回] 「数寄屋造」の研究4-2
   朝6時20分に「鴨川十条」バス停に予定通り到着した夜行バスを降りると、夏とはいえ少々寒かったのだが、9時からの修学院離宮見学ツアーでは、むしろ、暑い。 夏の見学は朝一番にして良かった。 11時だともっと暑かったと思う。
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↑ まず、こんな感じで歩き出すわけだ。
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↑ 「下離宮(下御茶屋) 御幸門(みゆきもん)」
案内係の方は帽子を被っておられるが、修学院離宮は建物もあるが、「庭園を歩く」という方が主で、建物は外から見ることはできても内部に入れるわけではないので、夏場は帽子を用意した方が良いようだ。
この「御幸門」に限らず、正面の普通に開く部分ではなくその横のあたりの、一見、壁に見えるあたりが、からくり戸のように開いてそこから入らせてもらえるのだ。 からくり戸みたいだが、別に極秘とかでもないらしい。

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↑ 「下離宮(下御茶屋) 御輿寄」
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↑ 桂離宮は、庭園もあるが建物の方が主で、建物が6割・庭園が4割という感じだったが、修学院離宮の場合、庭園の方が主という印象がある。 桂離宮は、御殿群については外観を見ることはできても内部は見ることはできなかったのだが、修学院離宮では大部分の建物が中に入ることはできないが、外から内部を見せてもらえる。 しかし、そうであるにもかかわらず、修学院離宮は庭園の方が主という印象がある。 庭園の方は、特に、ここがすばらしいと言われる、という場所でなくても、ほとんどの場所が「たいしたもの」だと思う。
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↑ ちなみに、この写真では左上付近に写っているこの池にいる鳥だが、修学院離宮で飼っているのか、それとも、飛んできたのか、どちらだろう? ・・・と思いませんか?  で、正直に尋ねてみたのです。 修学院離宮では鳥は飼っていないそうです。 飛んできたそうです。
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↑ 「下離宮(下御茶屋) 寿月観」
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↑ 「下離宮 寿月観 一の間」
もう8年程前になるが、桂離宮を見に行った時には、御殿群については建物の外観を見ることはできたが、内部を見ることはできなかったが〔[第11回]やっぱり桂離宮はすばらしい!~私の好きな建築家〔1〕ブルーノ=タウト 〔引越掲載〕 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201101/article_13.html 〕、修学院離宮では、建物の中に入ることはできないが、外から内部を見ることはできる。
畳床と板床とがある。 上段の間の部分が「エライ人」が座る場所らしいが、しかし、考えてみると、下々の者と会う時には、高さに差をつけるのは、「わしぁエライねんぞ」という姿勢をとるには良いのかもしれないが、そうでなければ、これだけの広さでわざわざ段差を設けるというのは使いにくいのではないか。 「バリアフリー」という考え方から見て、つまづきやすくないか・・・という気もする。

↑ 「下離宮 寿月観」

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↑ 山並みがきれい。

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↑ 「中離宮(中御茶屋) 表門」
ここも、脇の「塀」の一部がからくり戸のように開く。 別に、正面の両開き戸は「エライ人」専用で、「エライ人でない人」は脇からという考え方でもないらしいが。
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↑ 「旧 林丘寺 表総門」
林丘寺は今も存在するが、不特定多数に拝観を認めているお寺ではないらしい。 
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↑ 左・・・「中離宮(中御茶屋) 楽只軒(らくしけん)」、 
   右・・・「中離宮 客殿」

楽只軒と客殿はつながっているらしい。
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↑ 「客殿」
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↑ 「中離宮 客殿 一の間 の 霞棚」
「桂離宮の桂棚」・「醍醐寺三宝院の醍醐棚」とこの「修学院離宮 中離宮 客殿 の 霞棚」を「天下の三棚」と言うそうで、桂離宮に見学に行った時も、建物を外から見ることはできたが、「桂棚」は見せてもらえなかったが、修学院離宮の「霞棚」は建物の外から見せてもらうことができる。 係員の方の説明によると、この「天下の三棚」で一般に見ることができるのは「修学院離宮の霞棚」のみらしい。
霞がたなびくような棚・・ということらしいが、皇族の離宮だから良いのかもしれないが、あまり実用的ではない。
修学院離宮は、庭園がすばらしいのだが、建物の方は、むしろ、庭園の景観を損なわないよう、目立たない建物、自己主張し過ぎない建物が多い。 この霞棚の方は、棚とは言っても、そこに何かを載せるという前提の棚ではなく、棚そのものを見せる(魅せる)という棚ではないか。 棚に載せる物を引き立てるというタイプの「棚」ではなく、「棚」そのものを見せるという性質のもののように思える。

※《醍醐寺 三方院のご案内》https://www.daigoji.or.jp/garan/sanboin_detail.html
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↑ 「中離宮 客殿 杉戸 の 鯉の絵」
この絵の鯉が夜になると戸から出ていって池で泳ぐので、出て行かないように、後から網を書き加えたということらしい。
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↑ 「中離宮 客殿 杉戸 の 山鉾の絵」
客殿では、「畳縁(たたみえん)」になっている。 現地では気づかなかったが、修学院離宮で購入してきた『修学院離宮』(伝統文化保存協会)に、≪一の間と二の間の庭に面した畳縁(たたみえん)は、一の間側が半畳分庭側に突き出ており、その境にすぎとが建てられている。杉戸には一の間側に親子の鯉、二の間側に大鯉が一匹描かれ、全体が網で覆われている。夜毎に杉戸を抜け出ては池に遊ぶので金色の網を伏せたという言い伝えが残る。≫ ≪一の間西側の畳縁つきあたりの引違の杉戸には右に祇園祭の放下(ほうか)鉾、左に岩戸山、その裏側には船(ふね)鉾が二枚続きに描かれている。・・・≫と出ているので、写真を見直すと、確かに、畳縁になっていた。
  (2016.8.12.)

   次回http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_3.html 、上離宮へ。

☆ 修学院離宮 見学
1.[第257回]修学院離宮と桂離宮・飛雲閣・東照宮・ヴェルサイユ庭園との対比 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_1.html
2.[第258回]下離宮・中離宮 ≪今回≫
3.[第259回]上離宮 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201608/article_3.html

☆ 「数寄屋造」「草庵風書院」について
桂離宮(京都市)
[第11回]やっぱり桂離宮はすばらしい!~私の好きな建築家〔1〕ブルーノ=タウト 〔引越掲載〕 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201101/article_13.html

西本願寺飛雲閣(京都市)
[第113回](西本願寺)飛雲閣、ちょっとだけ~「数寄屋造」の建物(2)、及、金閣・銀閣について検討、少々、など http://tetsukenrumba.at.webry.info/201208/article_3.html

三渓園 臨春閣(旧 紀州徳川家巌出御殿)(横浜市)
[第252回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)1 数寄屋とは? http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_1.html
[第253回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)2 第一屋・第二屋 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_2.html
[第254回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)3 第三屋 他 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_3.html
[第255回] 三渓園 聴秋閣・三渓記念館・三渓園天満宮他 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_4.html


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