三渓園 臨春閣(旧 紀州徳川家巌出御殿)(横浜市中区)訪問2―臨春閣 第一屋・第二屋。 御門 ほか。

[第253回]三渓園訪問4部作の2、「数寄屋建築」3ー2
【3】三渓園入口から内苑、内苑入口から「御門」へ
   三渓園を訪問するのは2回目で、前回は桜の季節に行き、桜の咲いている大池周辺や旧燈明寺本堂周辺を中心に見学いたしました。 三渓園の桜は大変きれいなのですが、しかし、桜の花が満開の季節に行くと、どうしても、桜の方に目が行くというのか、建物の脇に桜が咲いていても、桜の方が主役になってしまうところがあります。 紅葉の季節もそういったところがあるかもしれません。 三渓園には様々な植物が植わっていて、ほとんど年中、何かの花が咲いているような感じではあるのですが、特に、桜は主役になろうという性格が強い花であり、それがいいところでもあり、困ったところでもあります。 今回は、そういった自己顕示欲の強い花はないので、逆に落ち着いて建物を見学できたというところがあります。
   三渓園の建物は相当数が多く、庭園や樹木もなかなかのもので、一度にすべのものを見学しようとすると、一通り回ったはいいけれども、頭の中で混乱して何がなんだかわからなくなってしまうようなところがあります。 前回は、夕方近くに三渓園に到着し、桜の季節なので夜でも入ることができたのですが、三渓園は、「内苑」と「外苑」に分かれていて、かつて、1906年(明治39年)に「外苑」は一般公開され、その時は「内苑」は原三渓(富三郎)が住居として住み私庭として楽しんだ場所らしく、今、桜の季節には日没後も「外苑」は入場できるものの「内苑」は平常時と同じく夕刻で入場はおしまいになる為、前回は「内苑」に入ることはできませんでした。 今回は、「数寄屋建築」と言われる臨春閣を中心に主として「内苑」と三渓記念館を見学させていただくことにいたしました。
   前回、なぜ、平常時なら閉まりかけみたいな時刻に行くことになったかというと、三渓園というのは、千葉県在住の者にとっては、けっこう行くのに時間がかかるのです。 今回、JR船橋駅から快速に乗りまして、横須賀線経由で横浜駅下車。 横浜からJR根岸線で根岸駅まで行き、バスで「本牧」バス停まで行き、そこから歩きました。 船橋市の我が家からJR根岸線「根岸」駅までで約1時間45分。 そこからバスに乗って「本牧」バス停まで、さらに三渓園までそこから歩くと、片道約2時間かかります。 「本牧」バス停から三渓園までの半分くらいの距離の「本牧三渓園前」というバス停もあり、桜木町駅や横浜駅までのバスがあり、帰りはこれに乗って横浜駅まで行きましたが、このバスに乗ると、横浜駅まで相当かかります。 バス停まで少し歩いても、「本牧」からJR根岸線「根岸」駅まで行って、JR根岸線に乗った方が、根岸線は乗れば速いし、根岸駅までのバスも本数はけこうあるので、そちらの方が早そうです。 いずれにせよ、千葉県から行くとけっこう往復の所要時間がかかります。今回は、前回の失敗を踏まえて早めに出ましたが、けっして余裕はありませんでした。

   さて、ともかく、「内苑」に向かうと、↓ の入口が見えます。 三渓園に入場するのに、500円の入場券を購入する必要がありますが、内苑に入る入口があっても、そこで別料金を求められるわけではありません。
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↑ 入口の向こうに見える建物は、三渓園記念館 です。 三渓園記念館として美術品の展示館と抹茶と干菓子のサービス(500円)、トイレと土産物コーナーがあります。

   「内苑」に入って進むと、「御門(ごもん)」が見えます。↓ 「内苑」は、すべて、一箇所から移築してきたものではなく、何箇所から歴史的建造物を移築し、新たに造営した建物もあって、それを調和させて形成したもので、この「御門」は≪京都東山の西方寺にあった藥医門≫で≪建築年:江戸時代 宝永5(1708)年ごろ/移築年:大正時代≫ ≪横浜市指定有形文化財≫と三渓園のリーフレットには出ています。
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   京都東山の西方寺の門と和歌山県の巌出御殿だったという臨春閣とが同居しているわけですが、「門」というのは、やはり、そこを人が通ってこそ門であり、「門」だけで保存されているよりも、たとえ、当初とは目的が違っても人がそこを通りながら保存されるという方が好ましいと思えます。 東大本郷の赤門は、もともと、東大のために造られた門ではなく、加賀前田家の赤門であったわけですが、今もそこを学生が通っていることで赤門として存続していると思えます。 たとえば、芝公園の御成門(旧・増上寺の御成門)は、門が門という建築物として保存され、その下を人が通行するということはないわけです。 人が通らない門というのは、保存されているとしても、どうも、実質的に保存されていることになるのか疑問を感じてしまうようなところがあります。 この「御門」も人が常にその下を通行している門として保存されていることで、門として存続していると言えます。

【4】-1 臨春閣(旧・紀州徳川家 巌出御殿)(2) 第一屋・第二屋ほか
   「御門」を入って進むと正面に見えてくるのが、「臨春閣」の玄関ですが、この玄関部分は、三渓園において新しく建築したもので比較的新しいものだそうです。↓
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   桂離宮の御殿が、古書院・中書院・新御殿と増築を繰り返した建物が雁行しているように、三渓園の臨春閣(旧・紀州徳川家 巌出御殿)も第一屋・第二屋・第三屋と3つの建物が雁行して配置されています。
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↑ 臨春閣(旧・紀州徳川家 巌出御殿)。 (右)第一屋、(左)第二屋。

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↑ 第一屋 内部。 
≪ 部屋の境にある欄間には、波の彫刻(第一屋)や、和歌を書いた色紙(第二屋)をはめ込むなどの工夫が凝らされています。 なかでも面白いのは、第三屋「天楽の間」にある欄間で、ここには、雅楽に馴染み深い笙と笛など本物の楽器があしらわれています。≫と、三渓園HP 「古建築のご案内 臨春閣」http://www.sankeien.or.jp/kokenchiku/rinshunkaku.html に書かれていますが、この第一屋では「波の彫刻」が欄間にあるのが見えます。
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↑ 第一屋 の 水屋 らしい。

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↑ 第二屋 内部。 「浪華の間」(第二屋の南西寄り。 池側から見て左側の部屋)
奥の座敷が手前の部屋よりも少しだけ高くなっているのは、奥の部屋にお殿さまが座るということで、奥の部屋が高くなったいるそうです。
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↑ 第二屋 内部。 第二屋の北東寄り。 池側から見て右側の部屋)
桂離宮は、見学させてもらっても、御殿については、一般の人間は外から見るだけで内部は見ることができませんが、三渓園 の臨春閣は、内部も外からのぞき見ることができます。
≪和歌を書いた色紙≫が欄間にはめこまれています。
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↑ 第二屋の前から見た 旧 燈明寺 三重塔。
三渓園のどの場所からも、旧 燈明寺 三重塔が見えるように作られているらしい。 

   次回http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_3.html 、 臨春閣の第三屋ほかについてを述べます。
  (2016.6.12.)

☆ 三渓園 訪問4部作
1.「数寄屋」とは何ぞや http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_1.html
2.臨春閣 第一屋・第二屋 〔今回〕
3.臨春閣 第三屋 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_3.html
4.聴秋閣・三渓記念館・三渓園天満宮他、「デザイナーズ住宅」とは? http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_4.html

☆「数寄屋建築」を考える
[第11回]やっぱり桂離宮はすばらしい!~私の好きな建築家〔1〕ブルーノ=タウト 〔引越掲載〕 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201101/article_13.html
[第113回](西本願寺)飛雲閣、ちょっとだけ~「数寄屋造」の建物(2)、及、金閣・銀閣について検討、少々、など http://tetsukenrumba.at.webry.info/201208/article_3.html
[第252回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)1 数寄屋とは?http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_1.html
[第253回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)2 第一屋・第二屋 〔今回〕
[第254回] 三渓園 臨春閣(旧・紀州藩 巌出御殿)3 第三屋 他 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201606/article_3.html


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