東京駅での いわき “出張いちご農園”に疑問、及、スパリゾートハワイアンズは地元志向を強めるべき

〔第121回〕
  福島第一原発事故後、もう起こってしまった以上は、その上で、できる限り被害を少なくすることを考えるしかないはずであるが、このくらいのことは、決して文化的に高水準といいがたい日本においてもできるのではないかと思ったことができないようだ。
1.福島第一原発の周囲に地下ダムを作るという話はどうなったのだろう。
2.福島第一原発から遠くない地域の「ガレキ」を他府県で受け入れて、一般焼却施設で燃やす、その灰を受け入れた府県で「処理」するとは、なぜ、そんなことしなければならないのか。その程度のことも防げないとは、なんとも、日本とはなさけない国だ。チェルノブイリ原発の事故をソ連批判ソ連攻撃のひとつとしておこなっていたにしては、自分のところで起こった事故の対応においては、あまりにもなさけない。
3.我が家に東芝の関連会社から、ソーラーシステムを取りつけませんか、という勧誘の電話がしばしばかかってくるようになったが、それは悪いということはないが、福島第一原発事故の批判・攻撃を、東電が一手に引き受けているような感じだが、大事故を起こした福島第一原発を作った東芝・日立については、何も言われないようだが、何も言われなくていいのだろうか。何の責任もないとは言い難いように思うのだが。
4.福島第一原発事故の後、原発再稼働に熱心であった海江田氏がとうとう民主党の代表になってしまった。  《ともかく「脱原発」と言った 菅直人 》から野田佳彦を経て、《原発再稼働の海江田 万里》になってしまった。 
  あの “ 菅おろし ” は、菅直人氏よりもまともな側からのものか、より悪質な側からのものか、いずれだろうかと思ったが、どうも、良心的な側からのものではなかったという印象を受ける。
5.福島第一原発の周辺地域の農林水産業に従事してきた人たちはたいへんだとは思うが、たいへんだからどうするのかが問題である。 浜通り・中通りの農家・水産家が原発事故を起こしたのではないのだから、法の基準により出荷できないものは、東電・日立・東芝・経産省の歴代の“エライ人”、原発を推進してきた自民党の面々に過去3年なり5年なりの平均価格ですべて買い取ってもらえばよいのである。
  それをしないで、買わない消費者が悪いかのように、「風評被害」などと言いだすのはおかしい。 民主党政権は、そのあたりの対応において、「自民党よりマシ」なものを期待したが、そのあたりについては、「自民党とたいして変わらない」ようだった。 

【1】   それで、それで。 2013年1月14日(火)のこと。 JR東京駅に行った。 東京駅の総武快速線から丸の内側に出ようとして、地下鉄丸ノ内線の東京駅との間付近でのこと。 
「ようこそ いわき
    出張いちご菜園」

などというフェアをやっていた。
   なんじゃ、こりや!!! ↓↓↓
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  いわき市は、「平成の大合併」でもともと いわき市の次くらいに面積が広かった静岡市が清水市と合併して新たな静岡市になり、その後も岐阜県の高山市など巨大な市が次々と生まれるより前は、全国で一番面積の広い市だった。 だから、今でも、大阪府・香川県より広い高山市などよりは狭いとしても、それでも、東京都23区の倍、大阪府・香川県の3分の2の面積のある市である。 福島第一原発から いわき市の北端までの距離よりも、いわき市の北端から いわき市の南端までの距離の方が長い。 だから、放射能汚染の程度は、いわき市の中でも相当に差はあると思われる。
  さてさて。 なんとも、へんちくりんなフェアだ。 「『風評被害』を防ぎ、いわき市のいちごを食べてください。」というフェアらしい。 しかし、である。

〔1〕
(1) 食べろというのであれば、そのいちごの放射能汚染がどの程度であるのか明示するべきである。 
(2) 相当に面積の広い市で、福島第一原発から近い地域と比較的離れた地域とでも差はあると思われるので、いわき市のどの地域での産物か明示するべきである。

   ところが、そのいずれもなされていない。 なんじゃ、これゃ↑!!

〔2〕  「出張いちご菜園」ということで、土の入ったプランターが持ち込まれている。  たとえ、福島第一原発から近い地域の農産物を他県に搬出するとしても、なにも、その場所の土まで搬出する必要ないのではないか?
   ところで、いわき市のフェアをやるとしても、なぜ、いちご なんだろ?  いわき市で、いちごを作っている農家もあるかもしれないけれども、いちごはいわき市の最大の産品ではないと思うのだ。 いわき市に住んでいたことのある者としては、くだものだと、豊水・幸水の梨とかの方が印象があるのだけれども、なぜ、いちごなのだろうか? ひとつは、土のついたものの状態で東京駅まで持ってくるには いちご が向いていたということだろう。 梨の木を地面に植わったまま東京駅まで持ってくるわけにもいかないから、ということがあるのでしょう。〔いわき市でも、どちらかというと、梨は山の方で栽培されていることが多く、いちごは海に近い場所で栽培されていることが多かったように思う。〕 で。  なぜ、そこまでして、福島第一原発に近い地域、ある程度以上放射能汚染の被害を受けてしまった地域の土を、そこよりも福島第一原発から遠い場所、そこよりは放射能汚染の程度が低い場所に持ってこなければ気がすまないのだろうか?

  東京近郊の人間は、「福島県の東部中部の人たちは気の毒になあ」などと、たいていの人間が思ってきたのであるが、その「福島県東部中部」の土が知らないうちに東京駅の多くの人間が通勤や通学で通る場所まで持ってこられていたのである。 〔しかし、 風で飛んでくる分はしかたがないとしても、その土の放射能汚染の程度がどうであるかにかかわらず、普通、大事故を起こした原発から近い場所の、放射能汚染の程度が重い地域の土をそこよりは放射能汚染の程度が低い地域にわざわざ持ってくるかなあ・・・。〕

〔3〕 なぜ、いちご なのか? という問題で、大変、おそろしいことに気がついた。
   『別冊宝島1807号 食品の放射能汚染 完全対策マニュアル』(2011.10.16.宝島社) の「第2章 農産物100種カード」に、各農産物の安全度危険度について、述べられているが、その中で、「ブルーベリー」について、≪ 7月の最盛期に最も多く入荷するのは群馬産。 続いて長野、愛媛産。気になるのは「ブルーベリーは放射能汚染が起きやすい」と、あらかじめ専門家の指摘があった点。 チェルノブイリ事故でベリー類の汚染報告が相次いだためだ。樹高が低く、根を浅い所に張るため、地表近くのセシウムを取り込みやすいという。≫と書かれている。ここで、≪・・・最も多く入荷するのは≫というのは、東京中央卸売市場におけるもののことです。 そして、≪測定事例のうち、セシウム137の最高値が検出された作物の産地とその値。最も高い検出結果がセシウム134と同137の合算値となっている事例ではその値を記した。・・・・≫という「6 心配度(最大計測値)」として出ている市町村はどこかというと、ブドウは福島市で20ベクレル/㎏、リンゴは福島県国見町で41ベクレル/㎏、ナシは福島県南相馬市で27ベクレル/㎏、モモは福島県伊達市で82ベクレル/㎏となっていますが、ブルーベリーのセシウム137の最大計測値が出た市町村ははどこかというと、「福島県広野町」で「140ベクレル/㎏」。 広野町はどこにあるかというと、いわき市のすぐ北隣りです。
   「ベリー類」とはどういうものを言うかというと、「ウィキペディア―ベリー」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC を見ると、≪ ベリー(英語:berry)の植物学的な定義は、単一の子房から生み出される多肉果である。ブドウが一例である。・・・  日常的には、「ベリー」は、イチゴ(ストロベリー)ブルーベリー、ラズベリー、セイヨウスグリ(グーズベリー)、ブラックベリー、クランベリーなど、多肉質の小果実の総称である。≫
  ストロベリー(いちご)も、≪樹高が低く、根を浅い所に張るため、地表近くのセシウムを取り込みやすい≫という点で、ブルーベリーと共通していると思えます。 但し、この『別冊宝島1807号 食品の放射能汚染 完全対策マニュアル』に記載されているものは、2011年のことですから、今現在では、その頃に地表近くにあったセシウムは地中に入っているということは考えられるので、事情は同じではないかもしれませんが、それにしても、ブルーベリーについてセシウムの測定最大値が出た町の南隣りの市のストロベリー(いちご)をわざわざ土つきで東京駅まで持ってきているということをどう考えるべきでしょう。
  いわき市の放射能汚染の程度は、一般には、福島市よりも軽度で仙台、山形、会津若松よりも重度というところでしょうけれども、なにしろ、大阪府・香川県の3分の2の面積があり、いわき市の北端から福島第一原発までの距離よりも いわき市の北端からいわき市の南端までの距離の方がずっと長く、海沿いの所も平地も山地もあるという市ですから、同じいわき市内でもその場所により相当に差があるはずです。 放射能汚染の程度が重い所は、「放射線管理区域」の条件にあてはまっているのではないでしょうか。 「放射線管理区域」にあてはまる所の物は、その区域外に持ち出してはならないのではなかったでしょうか。 そういう場所のストロベリー(いちご)を土からプランターに入れて持ち出して、東京駅まで持ってきた・・・ということでしょうか? そういうことをして良いのでしょうか?

  いちご の場合、ハウス栽培のものという可能性もあるが、それならそのあたりをきっちりと記載明示し、放射能汚染の程度がどうであるのかも、きっちりと述べるべきであり、とにかく、買わない者が悪いかのような「フェア」の行い方はやめた方がよいであろうし、土ごと持って行く必要はないと思われる。

〔4〕  福島第一原発から近い地域の農産物を他県の人間に食べさせようとする人たちは、何か、自分たちがヒューマニストであるかのような態度を取り、食べない人間は福島第一原発に近い地域の人たちを苛める人間味のない者であるかのように言いたいようであるが、他県の者としては、ヨーロッパ諸国が輸入禁止にしている地域のものを食べさせられなければならない義務はないし、ヨーロッパ諸国が輸入禁止にした地域のものでも、大丈夫だというのであれば、厳密に放射能汚染について検査をして、このような結果がでましたと明示し、法律上の基準によりだめなものは、東電・日立・東芝・経産省のエライ人と自民党の議員さんとその家族に買ってもらってに食べてもらうことにして、そうでないもののみを販売するようにするべきであるのに、放射能汚染の程度も示さずに、一般庶民の口に入れ、嫌がるものが「被害」を加えているかのように責任転嫁しようとしている。
  こういったフェアは、福島県浜通り・中通り地域の人たちのためにやっているかのような態度を取っているが、実際は、そうではなく、東電・日立・東芝・経産省の“エライ人”や自民党の歴代議員が責任を取らなくてすむように、責任のがれのため、責任を転嫁するためにやっているのである。

〔5〕  そして、気づいたのだ。わたしは感覚的に。  私は いわき市に5年間住んでいたことがある何パーセントかいわき人である。 いわき人のニオイがしないのだ、このフェアを実施していたスタッフの人たちには。 いわき の人間の顔してないのだ、このフェアを実施していたスタッフの人たちは。
   「いわき人のニオイ」なんて、そんなもの、わかるのか? という人がいるかもしれないが、わかるんだよ。
   JR東京駅の八重洲口から、常磐交通の「いわき号」というバス(勿来IC・湯本IC・好間〔いわき中央IC〕経由 いわき駅行き)が出ていた。 今も出ているのではないかと思う。 このバスに何回か乗ったが、 「乗った時から、気分は いわき」なのだ。このバスは。周りの乗客のおじさん、おばさんが、いかにも いわきの人間て感じなのだ。 運転手のおにいちゃんも、たまに乗っているガイドさんのおねえちゃんも、いかにも、いわきの人間て感じなのだ。 それこそ、「う~さ~ぎ~、お~いし、か~の~や~ま~♪」みたいななつかしい感じがするのだ。
   さらに、もう15年以上前だが、JR京葉線の舞浜の駅から京葉線の東京行きに乗ったところ、私の親が話していた戦中・戦後すぐの「買い出し列車」みたいに、ディズニーランドのでっかいおみやげを両手いっぱいにかかえこんだ、いかにもイナカむお~ん!て感じの家族連れがいて、なんじゃ、こいつら、いなかくせえ~え・・・と思っていると、京浜東北線に東京駅から乗って上野で降りると、上野駅のプラットホームでその連中が前を歩いているのだ。 なんだ、こいつら、まだ、俺の前を歩いてる、と思っていると、なんと、上野で いわき行きの特急「スーパーひたち」に乗るではないか。 お~いおい、と思っていると、はてさて、私がいわき市の「湯本」駅で降りようとすると、なんと、同じ車両にいるではないか。 なんだよ、いわき の人間かよお~お・・・。 それなら、しょうがね。 いわきの人間ならしょうがね。 許したる。いなかムォ~ン と言ったって、そりゃあ、いなかだっぺえ、いわきはいなかに決まってるだろうが、都会のわけねえべえ~え・・・ということで、いなかむぉ~ん・・みたいなことしても、いいことにしてあげよ。 だって、いなかだもん。 都会のわけねえべえ、ということで、そんな感じ。都会の人間の基準からすれば、何やってんの、て感じがしても、でも、いいじゃん、て感じ。 そういう感じというのか、そういう雰囲気があるのだ。 
  新橋駅の西側というのか内陸側というのかの ニュー新橋ビル1階に、いわき市アンテナショップ「いわき ら・ら」(http://www.tif.ne.jp/bussan/guide/guide-iwaki.html#a1 )というのがあった。 インターネットで見ると、今もあるようだ。 ここに行くと、なんというか、いわき のニオイ とでもいうのがかすかに漂っていた。 私は、いわきを離れた後、東京近郊に住んでからも、このニュー新橋ビル1階の「いわき ら・ら」に いわき のニオイを求めて行ったことがあった。
  しかし、である。 今回、JR東京駅の総武快速線と地下鉄丸ノ内線の東京駅の間の地下でやっていた「ようこそ いわき  出張いちご菜園」をやっているスタッフの人たちには「いわき の人間のニオイ」を感じなかったのだ。 調査したわけでもないが、言ってしまおう。 このフェアをやっていたスタッフの人たちは、少なくとも過半数は「非いわき人」だ。 調査したわけでもないが、おそらく間違っていないと思う。
  「いわき の人間の顔」なんてあるのか、と思う人もあるかもしれないが、あるんだよ。
  私は いわき市を第二の故郷とする者である。 だから、福島第一原発の事故でいわき市にもいわき市の人たちにも大きく影響が出たことはとても悲しい。 いわき市のフェアが開かれているらしいと見て、もし、いわき市の人がスタッフとして来ているのなら、比較的忙しくしていない人を見つけて、いわき市の近況を聞いてみたいという気にもなったし、いわき市は人口が私がいた時、私が見た資料で36万人、最近、34万人と出ているものが多いが、いずれにせよ、「東北地方では仙台市に次いで人口の多い市」「福島県では県庁所在地の福島市や郡山市よりも多い、福島県で最も人口の多い市」「郡山・秋田とともに、東北地方で3つの中核市のひとつ」という割には、いわき市内を移動すると、なんだか、知った人とよく会うし、誰もが、友達の親戚の組内の同僚の友達・・・みたいな、なんだか、「友達の友達は皆友達だ」みたいな街であり、34万人であれ36万人であれ、その全員が、「な~んだ、○○ちゃんちの近所でねえのお・・・」、「◇◇ちゃんの同僚けえ~え・・・」みたいな感じ・・・。 そういう街なので、もしかして、どこかで知っている人でも、もしかして、来ていないか・・というようなことを、ふと思ったが、このフェアのスタッフの人たちは、(少なくとも過半数、おそらく大部分は)非いわき人だった(という印象を受けた)。 調査したわけでもないが、たぶん、間違っていないと思う。
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(YAHOO!ニュース)
イチゴの日:いわき市がPR 東京駅で菜園再現 /福島
毎日新聞 1月16日(水)13時17分配信  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000156-mailo-l07
  いわき市は15日、イチゴの日に合わせて、風評被害で流通量が減っている同市産のイチゴをPRしようと、JR東京駅(千代田区)地下広場に同市直送のイチゴプランター計76個を設置し、イチゴ菜園を再現した。取れたてのイチゴ計900個が配られる試食もあり、地下広場に甘い香りが広がった。同市は「イチゴ狩りにぜひ立ち寄って」と呼びかけた。.
   プランターが設置されたのは、「とちおとめ」と県オリジナル品種の「ふくはる香」。いわき市は冬でも日照時間が長く、イチゴやトマトなどハウス栽培が盛ん。例年クリスマスシーズンが出荷のピークだが、昨年の猛暑で生育が遅れ、今がピークを迎えているという。同市のイチゴ農家は東日本大震災による津波で、農地の4割が壊滅的な被害を受けた。再建を断念した農家も多い。
  検査で放射性物質は一度も検出されていないが、震災直後は例年の7分の1程度に卸値が下がった。現在、卸値は元に戻りつつあるが、風評被害で他県のイチゴが買われる状況が続いている。
  江戸川区のパート社員、斎藤清美さん(53)は「いわき市でイチゴが取れるとは知らなかった。大きくておいしい」と顔をほころばせた。【大沢瑞季】
1月16日朝刊
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  ↑≪江戸川区のパート社員、斎藤清美さん(53)は「いわき市でイチゴが取れるとは知らなかった。大きくておいしい」と顔をほころばせた。≫というのは、おそらく、「ヤラセ」「サクラ」の類であろう。 
  もし、この いちご に放射能汚染の点で問題がなかったとしても、それならそれで、(1)いわき市のどの場所で栽培されたものか、(2)どういう方法で栽培されたものか、(3)放射能汚染の程度は、どういう検査方法によりどういう検査結果が出たのか、それは法律の基準から見ればどうなのか、といったことを明示して展示するべきで、それをしないで、「ようこそ いわき 出張いちご菜園」と買わない者が悪いかのような「フェア」をおこなうのはいかがなものか。 また、(4)大丈夫なものであっても、土まで持って行く必要はないのではないのではないか。
   ≪検査で放射性物質は一度も検出されていないが、≫というのは、ここではどういう意味を言っているのであろうか。 ≪ゆるゆるの「暫定規制値」を越えた数値は一度も検出していない≫という意味か? そうではないならどういう数値が出て、どういう基準をクリアしたというのかきっちりと述べるべきだ。ハウスものなら、本来の規制値をクリアしている可能性は考えられるだろうが、そういう意味なのか、どうなのか。 植物は厳密には、原発事故がなくても、わずかには放射性物質を含んでいるらしい。 「検出されていないが」というのは、≪どの基準を上回る「放射性物質は検出されていない」≫という意味なのか、それを述べるべきだ。 毎日新聞は、そのあたりを確認した上で、記事を載せるべきではないのか。
   たとえ、その いちご が放射能汚染の問題がなくても、いわき市は、福島第一原発のある双葉郡大熊町や双葉町、あるいは、福島市よりは放射能汚染の程度は低いとしても、東京近郊の多くの場所よりも放射能汚染の程度は大きいのは間違いないはずだ。 ≪「イチゴ狩りにぜひ立ち寄って」と呼びかけ≫るようなことはするべきではないと思う。
   福島第一原発の事故は実際に発生したのであり、いわき市にも放射能汚染は及んでいる。ハウスものの場合は、放射能汚染の被害はでにくいとしても、安易に、≪風評被害で≫などという表現はするべきではないと思う。 付近の原子力発電所で大事故が発生した以上、その近辺の農産物の売れ行きが悪くなるのは当然のことだ。 ≪風評被害で≫という表現を使うことで、事故を起こし放射性物質を放散する危険な原発を付近に建設・操業した人たちに責任があるのではなく、買わない者が悪いかのような解釈をするのはつつしむべきであろう。
  ≪いわき市は≫という書き方がされているということは、いわき市役所がおこなったということかと思われるが、東電・日立・東芝や原発を推進してきた自民党の議員や原発推進派の「学者」に責任を問い賠償・補償を求めることなく、「買わない者は悪者だ」みたいなフェアをおこなうのであれば、その いちご はたとえ放射能に汚染されていなかったとしても、心情的にあまり清潔なものとはいいがたいような印象を受ける。このような「フェア」はいわき市の評価を下げるのではないかと心配する。
  いわき市にも観光業で生活している人もいるだろうけれども、「観光だけで食べている街」ではなく、もっと、多方面の分野で成り立っている市のはずだ。 観光業で生活している人には補償をおこない、自分たちの所よりは放射能汚染の程度が低い所に住んでいる人をわざわざ来させようとすることをしなくても、成り立つ市だと思うがそうではないのだろうか。 東北地方では、政令都市の仙台の他には、いわき、郡山、秋田の3市のみが中核市として指定されている。県庁所在地ではないが、東北地方の仙台以外のいずれの県庁所在地の市よりも人口は多く面積も広い。原発事故と放射能汚染の被害は大変ではあろうけれども、東北地方では規模の大きい方の市であり、規模の小さい市町村よりは「体力」もあるのではないかと思うのだが。
   「毎日新聞」は、問題点がないかという分析もなく、賞賛するようなこの記事の書き方はクオリティーペーパーとしていかがなものかと思う。 要するに、この「フェア」、この類の「フェア」は、≪東電・日立・東芝や原発を推進してきた自民党の議員や原発推進派の「学者」≫が実質上やっているものだ、ということでしょうか?

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(朝日新聞) 
http://www.asahi.com/area/tokyo/articles/TKY201301150446.html
東京駅にイチゴ畑 福島・いわき名産PR
  復興に取り組む福島県いわき市の名産品などをPRし、風評被害を吹き飛ばそうと活動している市の「見せます! いわき情報局 見せる課」が15日、JR東京駅丸の内北口地下で、いわき名産のイチゴのPRをした。
  「見せる課」は昨年10月に発足。風評被害をなくし、いわき産の農産物や水産物をPRし、震災…
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↑ 福島第一原発の事故による放射能汚染は特に解決したわけではなく、そう簡単に解決できるものとも思えない。特に、福島県東部中部の状況は深刻と思われる。 東京近郊の人間は、福島県浜通り地域に作られた危険な原発で発電した電気を利用してきたという面があるが、東日本大震災と福島第一原発の事故による被災者の方、特に、福島県東部中部の方に対しては、「気の毒になあ」という気持ちを持ってきたと思う。(一部、「天罰が下った」とか言った石原某は別にして。) しかし、放射能汚染がなんら解決・解消したわけでもなく、そう簡単に解決するとも思えない状況において、そこよりは放射能汚染の程度が軽度な地域に住んでいる人間を、放射能汚染の程度が高い地域にわざわざ来させようとしたり、放射能汚染は「風評」ではなく現実に起こっているのに、「風評被害を吹き飛ばそうと活動」したりするのであれば、そんなことをする連中に対しては、「気の毒になあ」などと思う必要はないことになる。 いわき市役所は、放射能汚染が解決したわけでもないのに、≪風評被害を吹き飛ばそうと活動≫とする「見せます! いわき情報局 見せる課」などというわけのわからないものを作る経済的余裕があるのであれば、もっと他にやることがあるのではないのかと思うが、どうだろう。
  「朝日新聞」はこんな変な記事の載せ方をして良いのだろうか?

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 ・・・・新聞なんてむやみな嘘を吐くもんだ。世の中に何が一番法螺を吹くといって、新聞ほどの法螺吹きはあるまい。 おれのいって然るべき事をみんな向こうで並べていやがる。・・・・
(夏目漱石『坊っちゃん』(岩波文庫)P.127)
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【2】 東京駅の いちご の「フェア」のスタッフにいわき人だという印象を受ける人は見られなかったなあ、あまり、いわき という印象の「フェア」ではなかったなあ・・・と思って、JR総武線の船橋駅で降りたところ、JR船橋駅のビュープラザ(JR東日本旅客鉄道株式会社)の前に置かれていたチラシに↓があった。「いわき市復興応援ツアー」だそうな。↓
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   ちょっと、違うだろ。 いわき市は、福島第一原発のある双葉郡大熊町・双葉郡双葉町と同じ浜通り、JR常磐線沿線、国道6号線沿線であり、近そうな感じがするが、直線距離では、福島市や郡山市と同じくらいで、測定された放射線量は福島市や郡山市の方が高いものが多かったらしいが、福島市・郡山市よりも測定された放射線量が低い・・としても、東京や横浜や千葉・さいたまよりも高いのだ。 放射能汚染の問題は解決したのではないはずなノダ。 今も放射能汚染の影響はあるはずなノダ。 そうである以上、浜通りであれ中通りであれ、福島県に来て下さい、ではなく、福島県の人たちが少しの期間でも放射能汚染の程度の低い地域へ行けるように考えるべきものであるはずなノダ。
   東京圏においても、放射能汚染の問題はなくなったわけではないはずであり、わざわざ、自分が住んでいる場所よりも放射能汚染の程度の高い地域へ「ツアー」で行くバカはない。

   このチラシには、いわき市のスパリゾートハワイアンズのフラダンスの写真が出ている。 スパリゾートハワイアンズは、かつては、常磐ハワイアンセンターと言っていて、その頃のテレビに出ていたものを見た感じでは、肌を露出したおねえさんの踊りをおっさんが見て楽しむ「ちょっとエッチ」な観光施設・・みたいな印象であったが、最近はそうでもなく、東京あたりから1泊2日で往復するのにちょうどよい距離で、家族連れや会社の社員旅行、あるいは、新婚さん、もしくは、結婚前のにーちゃんねーちゃんが行って、スパリゾートハワイアンズなり、その周辺の旅館・ホテルなりに泊まることとともに、地元の人たちも、夏休みには子供会で行ったり、家族で行ったり、年会員になって健康増進に通ったりと、幅広い客層を得ていて、フラダンスがあっても、「スケベなおっさんが見るもの」というわけでもなく、家族で見たり社員旅行でみんなで見たり、社員旅行で部長さんは舞台にあがって一緒に踊ってみせたり・・と、けっこう、健康的な雰囲気になっている。 そして、観光施設でも、遠くから来る人向けのもので、地元の人は背を向ける施設もあるけれども、スパリゾートハワイアンズは、地元の人もけっこう行く施設となっている。
   しかし。  地震だけならば、「応援」したい。 いわき市は津波の被害も今回は出たようだが、スパリゾートハワイアンズは内陸部にあるので津波の影響はなかったであろうけれども、地震・津波だけならば、「応援」したい。 しかし、放射能汚染の影響がある以上、わざわざ、原発事故が起こった場所に近い所に、そこよりは遠く、そこよりは放射線量が低い所から行く必要はない。 今も放射能汚染がなくなったわけでもないのに、わざわざ自分が住んでいる所よりも放射能汚染の程度が高いところに、仕事でもないのに行くのはバカである。 申し訳ないが、そういう「応援」はできない。 
   スパリゾートハワイアンズは、遠方から来る人だけで成り立っている施設ではなく、地元の人も利用する施設なのだから、今もいわき市に住んで生活している人たちはいるのだから、客層を今までよりも地元の人中心としてやっていくしかないだろう。 

   武田邦彦教授が、ブログ(http://takedanet.com/ )で、原発事故のすぐ後くらいに、浜通りの偉人として、片寄平蔵 を紹介されていたが、浜通り地方の人で、「学校の教科書に出る人で、えらい人」としては、詩人の草野心平が1番手と思う。
   「えらい」かどうかは評価は分かれるかもしれないが、「教科書に出てくる有名人」としては、江戸時代の終わり、公武合体を進め、坂下門外の変で襲われ失脚した筆頭老中・安藤信正 が知名度が高いかと思います。みなもと太郎の『風雲児たち』では、桜田門外の変で大老 井伊直弼が水戸藩士に襲われて命を落とし、譜代大名筆頭(彦根・井伊家)と御三家(水戸 徳川)の間でガチンコ対決が繰り広げられようか、というところを、苦心してなんとか収めたのが、平(たいら)藩主で筆頭老中の安藤信正であったことが書かれていた。(『風雲児たち』はなかなかおもしろい。)
※片寄平蔵・草野心平・安藤信正については、
「コトバンク―片寄平蔵」http://kotobank.jp/word/%E7%89%87%E5%AF%84%E5%B9%B3%E8%94%B5 
「ウィキペディア―草野心平」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E9%87%8E%E5%BF%83%E5%B9%B3 
「ウィキペディア―安藤信正」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E8%97%A4%E4%BF%A1%E6%AD%A3
他参照。
   しかし、エライかどうかよりも、私は、両手いっぱいにディズニーランドのおみやげかかえて「スーパーひたち」に乗る いなかくせぇ・・・て感じのおっさん て、きらいじゃないんだよ、わたし。 私がはじめていわきに行ってクルマで移動していた時、JR湯本駅の近くの道の横断歩道のところで、高校生の女の子がいて、止まると、東京あたりだとそのまま行く者が多いところを、ぴょこんとおじぎしていってくれたのを見て、このあたりの子はかわいらしいなあと思った。 その後、自分が歩いている時、道を渡りたいと思って、信号を捜して左右を見ていると、信号でも横断歩道でもなんでもないところで、クルマが止まってくれるではないか。 うれしい! なんて、いいひとたちなんだろ、このあたりの人たちは・・・と思ったが、それは、いいひとかどうかというよりも、なにしろ、いわきのじいさん ばあさんは、信号が赤であろうが何であろうがおかまいなしに渡るものだから、引き殺すわけにもいかない以上、止まるしかないのであり、私もいわきに住んでいるうちに、クルマを運転している時、信号でも横断歩道でもない所でも止まるようになったが、引き殺すわけにもいかないから止まっているのであって、特段、人格者になったわけでもないが、でも、それでも、横断歩道でもないところでも、クルマが止まってくれる所というのはいいと思うし、自分が、横断歩道でもない所でも、止まってあげようという気持ちになれる所というのはいい所だと思う。 

   放射能汚染の被害にあいにいらっしゃい という「復興応援ツアー」は、なんか、いわき のイメージに合わない。 私はそう感じる。
   旅館などは、観光客に来てもらわないと困るだろうけれども、民主党であれ自民党であれ、「復興応援ツアー」とか「風評被害を防ぐ」とかいうキャンペーンをやる労力があるならば、そういう変なキャンペーンに力を入れるのではなく、補償するべきものには、きっちりと補償するべきではないかと思う。
   今も、日立や東芝の社長さんなどは、けっこういい暮らししているのではないのですか? 原発を推進した自民党の議員だった人たち、実際に被害にあっている人たちに何もしないようでは、それこそ、「天罰が下」るのと違いますか。石原慎太郎さんなど、石原さんにこそ、「天罰が下」る、ということはありませんか。

   スパリゾートハワイアンズのフラダンスを踊っているダンサーは、今はそういうわけでもないが、もともと、最初の頃は、炭鉱夫の娘とかが多かったと聞いた。 炭鉱の町として栄え、東北地方の各地からいわき市に炭鉱夫としてやってきた人たちがおり、炭鉱住宅もできたが、常磐炭田があまり採れなくなり、かつ、石炭から石油へのエネルギーの移行により、常磐炭鉱が閉鎖され、困った常磐興産が、相当古くから湧き出ていた温泉は石炭を掘るには邪魔になったが、石炭を採らないとなると、今度はその温泉を生かして観光リゾート施設を作り、そして、目玉として、売り出したのが、常磐興産の女性社員が宴会芸としてやったフラダンスであった、といわき市の何かの記事で見た。
   エジプトのベリーダンスは、エジプトを植民地としたイギリスの植民地支配者の機嫌を取るために考え出された色っぽいダンスであるのに対し、ハワイのフラダンスは神にささげるものだと、何かで読んだ。 何で読んだかというと、たしか、『地球の歩き方 ハワイ』(ダイヤモンド社)だったような気がするが、はっきりしない。 フラダンスは、本来、神にささげるもの。 東京あたりの、福島県のいわき市よりは放射能汚染の被害の程度が低い地域に住んでいる人間に、放射能汚染の被害にあいにいらっしゃい、と誘惑するダンス・・・となってしまったのでは、あまりに悲しい。

  こういった放射能汚染の被害を受けてしまった地域の「○○フェア」「◇◇復興応援ツアー」というものは、基本的には、その地域の人間でない者が主導する、実際に事故を起こし被害を与えた者が賠償しなければならないものをごまかし、その地域の人間に、賠償・補償を求めるのではなく、買わない者が悪い行かない者が悪いのだと考えるように仕向けようという「フェア」「ツアー」「キャンペーン」である、と見るべきであろう。
       (2013.1.15.)  

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