ポケットに手をつっこむ営業・自分の靴を揃えない営業―良い営業・悪い営業、できる営業・だめな営業(2)

〔引越掲載〕
〔(建築家+建築屋)÷2 のブログ 第36回〕
   私は、住宅建築の営業の仕事を長くおこなってきましたが、他社や他社の従業員をライバル(好敵手、競争相手 rival)とはとらえても、決して、エネミー(敵 enemy)とは考えてきませんでした。 
   在来木造の I 社の栃木県のS展示場にいた時の同僚で、他の会社の担当者がお客様に出した郵便が宛先不明で返ってきたものが間違えて I 社に届けられた時、私が、その会社の担当者に返してあげるべきだと言ってもきかず、届けずに開封して「こんなこと書いてやがる」などと言う男がおり、その男は、客宅に行って見込客が留守の時に、郵便受けに他社から来た郵便物や他社の営業が入れていった封書があると、引っ張り出して持ち帰ってきたりしており、私が「それは犯罪にならないですか」と言ってもききませんでした。 私は、決して、その男のようなことはいたしませんでした。 私は、他社に来た郵便物が間違えて届けられた時には、必ず、その会社に「間違えて来ていましたよ。」と言って持って行きました。
   大学卒業してすぐに勤務したK社では、新卒入社の営業は、最初の1年間は、クルマに乗らずに、電車・バスで営業することになっていて、通勤も電車・バスでしていましたが、勤務する住宅展示場は駅からもバス停からも遠く、深夜、バスの便がなくなった時に、駅まで歩いて帰ろうとした時、隣りの他社の営業から、「駅まで歩くんですか」ときかれ、駅までクルマにのせてもらったこともありました。同業他社の人間は、ライバルではあってもエネミーではない、ということを理解するべきであると思います。
   このブログの、営業について述べたものも、もし、同業他社の方、特に、私よりも営業経験の浅い方が読まれて参考にされると、もしも、競合となるようなことがあった場合には、競合相手に力を与えているような結果になるのかもしれませんが、競合相手は、エネミーではなくライバルである、という認識のもとに考えるなら、このブログを競合するかもしれない会社の担当者が読んでくださり、それで、営業力を向上されるのであれば、それはそれで良いのではないかと考えてきましたし、今もそう思っています。 
   又、これから、住宅を建てよう、あるいは、購入しようとされる方が読まれる場合には、接する営業担当者を見て、その担当者で良いのか、そういう営業の会社に頼んで良いのか、ということを考えられる為の参考になれば良いと考えてきました。

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(1)私は、大学卒業して最初に入社した木質プレハブ中心のK社の最初の研修で、お客様に挨拶をする時に、腕を後ろで組まない、腕は横に置く、と教えられたのです。又、いつも、「気をつけ」の姿勢をしているわけにもいかないので、お客様を待っている時などは、「休め」の姿勢をとっても良いが、その際、手を組む場合は、《男性は後ろで、女性は前で手を組む》と言われるけれども、営業の場合は、後ろで手を組むと「えらそうにしている」と受け取られるので、男性でも、営業の場合は、前で手を組む、後ろで手を組んではいけない、ポケットに手を突っ込むなどはもってのほか、と教えられたのです。それは、K社だけに特有のものではなく、住宅の建築であれば共通のものと考えてきました。そして、それを実行してきたのですが、その後、勤務した別の会社や、競合した会社、自分が客の立場で接した営業には、後ろで手を組む人間や、ポケットに手をつっこむ人間というのがいたのです。非常識な人間だなあ、と思ったし、それが良いとは思えなかったし、自分が客の立場の時には、そういう人間には依頼する気になれなかったのですが、現実にそういう人はいたし、いるのです。
  又、ミシンやベッド・百科事典のセールスで実績を残したという伊藤光雄さんという人が『驚異のセールストーク』(1979. こう書房)という本で、自分は背も高くガタイもいいので、客と接する時には、えらそうにしているように思われないように、又、威圧感を与えないように、常にかがみぎみの姿勢で話をしてきた、と書かれていて、(但し、さあ、契約していただいて良いのではないでしょうか、という時には、逆に、すっくと背筋を伸ばす、とも書かれていたと思いますが)、それに対して、伊藤さんと逆に、相当に背が高い男で、人と話す時に、わざわざ、一生懸命背伸びをする習癖の男を見たことがあり、こいつ、いったい、何のつもりなのだろうか、と思ったことがあり、又、伊藤さんと同じく、背も高ければガタイも良く、それでいて、伊藤さんとは逆に、わざわざふんぞりかえるような姿勢をとる人間というのもいるのですが、私は、やはり、基本的には、伊藤さんのような考え方の方が適切であると思います。

  営業という仕事でも、業種にかかわらず共通するものと、その業種によって異なることがあり、特に、「不動産屋の営業」は、「不動産屋以外の営業」とは、まったく別の仕事ではないのか、と思えるようなところもあります。スポーツでも、ボクシングと相撲は足の運びが逆なので、一般にはスポーツの経験のある人の方がない人より他のスポーツをするには良いが、ボクシングの経験のある人が相撲をする場合は、何のスポーツの経験もない人よりもかえって良くないという話を、相撲中継の解説者が話していたのを聞いたことがありますが、一見、不動産屋と建築屋は隣の業界のように見えて、「不動産屋の営業」と「不動産屋以外の営業」とは、ボクシングの足の運びと相撲の足の運びが逆であるのと同様に、営業の性質としては正反対とも思えるくらいに違うので、それで、建築屋に長い私も、今の勤務先に勤める前、宅建主任の資格を持っているとしても、できれば、不動産屋ではなく建築屋に勤めたいと思ったものですが、住宅建築請負業のK社では、嘘を話してはいけない、と言われ、又、はったりかましてもしかたがない、とも言われたもので、私もそう思って、そして、これは、K社だけのことではなく営業全般のことと思ってきたのですが、不動産屋の営業をやっている人を見ると、人によっても違うでしょうけれども、実際問題として、一般に、嘘つきが多く、何かとハッタリかましたがる人が多い。私が勤務したT住宅の店長をやっていたTさんなども嘘つきであり、ハッタリばっかりかましていて、この人は、いったい何なんだろうと思ったものでした。同様に、ポケットに手を突っ込む営業や背が高い、ガタイがいいにもかかわらず、ふんぞり返る営業を見ると、営業としての基礎ができていないという印象を受けるとともに、もしかすると、不動産屋にいた人なのかな・・・・と思ってみたりもします。もっとも、不動産屋がそういうものであるべきかというと、そうではないようにも思うのですが、実際に、不動産屋の営業、及び、不動産屋から転職して建築屋に来た人には、ポケットに手をつっこんだり、背が高い・ガタイがいいにもかかわらずふんぞり返るような姿勢・態度をとったりいう人が少なくないのは事実で、そういう人を見ると、営業として基礎の基礎が身についていない人、であるのか、もしくは、不動産屋タイプの人、であるのか、どちらか・・・・・というように私などは感じます。

(2)又、K社の研修で、営業は、「自分が脱いだ靴は自分で揃(そろ)える」と教えられ、そして、自分が脱いだ靴をそろえない営業というのは、レベルの低い営業、もしくは、営業というに値しない営業であると思ってきたのですが、やはり、その後、勤めた会社の営業や、取引先の業者の営業などで、実際に、自分の脱いだ靴を揃えない営業がいたのです。 それに気づいて、こちらが、お客様でもないその人間が脱いだ靴をそろえるべきかどうか、迷うのですが、迷うのは、そろえてあげると、それは皮肉になると思うからであり、営業の仕事をする人間が自分の脱いだ靴を他人に揃えられるというのは恥だと思い、恥をかかせることになると思うからなのですが、俺はえらいからそろえてもらえるんだ、みたいに勘違いするスーパーばかの営業もいるので、そうなると、もう、処置なしで、そういう人とはかかわらない方が良いのではないのか、ということから、そういう人の靴はそろえたくないように思うのです。自分が脱いだ靴を人にそろえられて、なんとも思わないような営業は、営業としてはニセモノであり、レベルの低い人間であると思います。

(3)《客宅に行った時には、クルマをとめる場所に注意する。》とも教えられたものです。 自社の展示場・営業所などにクルマをとめる場合には、たとえば、 I 社の栃木県の営業所長であった I さんなどは、従業員用の駐車スペースにクルマをとめる場合には、俺が営業所長なんだぞお、みたいに、一番良い場所にとめていましたが、その一方で、来客用のスペースにとめるなどということは絶対にしませんでした。それは、 I さんが営業として仕事をしてきた過程で、カラダで習得したものだと思いますし、逆に、平気で来客用スペースにとめる人間というのは、営業としての実力がない人と見られてもいたしかたないものと言えるでしょう。 I 社の栃木県のS展示場にいた時、中途入社で入ってきた人が、日曜日の午後の最も来場の多い時に、自社の玄関の前の来客用駐車スペースに、自分のクルマを斜めどめにして2台分の場所を使ってとめていたことがあり、困った人を採用したものだ、と思ったことがありました。そのクルマのとめ方を見ただけでも、営業所長であった I さんと、その斜めどめをしていた人との、営業としての実力の違いがわかります。I 社退職後、ある知り合いの人(会社相手の営業の仕事についてきた人)と話していた時に、展示場の玄関の目の前の来客用駐車スペースに斜めどめにして2台分占拠してクルマをとめる人間の話をした時、その方から言われたのは、「ああ、その人は、営業の経験のある人ではありませんね。」という言葉でした。私もそう思いました。 その後も、「営業の経験のある人ではありませんね」という印象を受ける営業に出くわして驚くことがあります。「世の中いろいろ」なのかもしれませんが、私やその方が「営業の経験のある人」ならするわけがないと思うことをやる人というのは、やっぱり、いったい何考えてるのかなあ・・・??という気がしますね。

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 そして、もうひとつ、在来木造の I 社に在籍した時、同社のある程度以上の年数在籍している営業の間で言われていたことがあります。客がわがままだ、とか言う営業がおり、又、誰誰が担当のお客さんはわがままな人が多いとかこぼす工事担当者などがいます。しかし、もし、そのお客様がわがままだとして、なぜ、わがままなのか、ということを考える必要がある、という話です。
1.「類は友を呼ぶ」
2.「朱に交われば赤くなる」
3.営業が、お客様をわがままにならせている。
という、この3つがありうる、と言われてきたのです。
「類は友を呼ぶ」とは≪気のあう者どうしは互いに集まるということ。西洋では「君のつきあう者を言え、そうしたら君の人柄をいおう」というが、似た者は自然に寄りあつまる。≫(折井英治・編『暮らしの中のことわざ辞典』1962. 集英社)という意味、「朱に交われば赤くなる」とは≪朱にふれると赤くなるように、人も交わる友によって影響をうけ、善にも悪にも感化される。≫(『暮らしの中のことわざ辞典』)という意味で、この3つ、あるいは、この3つのうちの2つ以上の融合形があると言われ、そういうことがないか、考えてみるべきだということが言われたのです。そして、実際、そういうことはあると私は思っています。
  営業担当者がわがままである為に「朱に交われば赤くなる」という図式が適用されて、本来は必ずしもわがままでもないお客様がわがままになってしまっているケースがある、営業担当者が、きっちりと説明すればわかってもらえる方に、十分に説明しない為、お客様はわからない為に「わがまま」な態度をとってしまっている、というケースがある、ということを営業担当者は理解するべきです。お客様の子供が場所をわきまえない態度をとっている場合、親のしつけがなっていないということもあるのかもしれないけれども、その時、営業担当者は何をしていたのか、ということも考える必要があります。子供は「わんぱくでもいい。たくましく育ってくれたら」他所に行って何をしてもいいというものではない。それを子供にわからせることのできない親も親であるが、その場合に何の対応もできない営業は、一人前の営業とはいえない。 営業としてアマチュア以下である。お客様の子供が、関係者以外立ち入り禁止の場所にまで入り込んで、騒ぐのを放置する営業は、オノレの無能を恥じるべきである。その状況を気づきもしない白痴営業は、もはや、そういう人間は営業ではない。他の仕事に変わった方が本人の為でもあり、会社の為でもある。経営者がその点に気づくことができないならば、他の部分についてはわかりませんが、残念ながら、その部分については、見通しが良くない会社ということになってしまうでしょう。

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   これらを認識し、建築屋の方は「他山の石」ともしていきましょう、という話、及び、お客様の立場の方の場合には、自分でわがままな態度をとっているつもりはなくても、そう思われてしまっている場合があり、その場合に得をしているかというと、決してそうではなく、住宅建築の場合、お施主様が結果として得をするのは良い家ができた場合であって、それまでに、その会社の工事・設計その他の担当者を困らせると得をするというわけではないので、そうならない為には、こういったことを理解していただいた方が、住宅建築屋としても助かりますが、それ以上に、お施主様にとって良い住宅を手に入れる為に必要なこと役に立つことでもあり、又、わがままだと思われるような態度をとるに至らない為に、パートナーとして役立ってくれる良い営業とはどういう営業なのか、ということを考えていただく助けとして、この稿を公開させていただきたいと思います。
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以上は、「私が勤務する建築会社のホームページとリンクした私のブログ」に掲載した、そのブログの第36回のもので、この第36回≪ポケットに手をつっこむ営業・自分の靴を揃えない営業―良い営業・悪い営業、できる営業・だめな営業(2)≫は、2010年12月24日に「公開」させていただいたものです。 事情により削除いたしましたが、私は、削除したものは内容のあるものと思っており、又、いったん、「公開」したものは、作成者のみのものではなく、賛否にかかわらず、読んでくださった方・読みたいと考えてくださる方と共有のものという性質をもっており、作成者といえども、「記憶違い」のものの訂正、補足、「入力ミス」の訂正などは良いと思いますが、完全な削除は、好ましくないと考え、ここに、「引っ越し掲載」させていただきます。(建築家+建築屋)÷2 〔より正確には (49×建築家 + 51×建築屋)÷100〕 のブログ 、もしくは、。(建築家+建築屋)÷2のブログ と記したものは、「引っ越し掲載」です。 よろしくお願いいたします。
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〔 この稿は、「哲建ルンバ」としては、第36回ということになります。 〕

(追記)「死ね!!」というコメントを入れられた方へ。 《〔第46回〕私のブログに「死ね!!」というコメントを入れられた方へ。》http://tetsukenrumba.at.webry.info/201107/article_2.html を公開いたしました。 よろしくお願いいたします。 (2011.7.20.)


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この記事へのコメント

哲建チンポ
2011年07月18日 17:28
死ね!!

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