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zoom RSS 畠山記念館見学2−「床刺し」を避けた浄楽亭和室。菖蒲が屋根に載る明月軒・翠庵。遮那庵。赤松は赤い

<<   作成日時 : 2016/05/07 20:49   >>

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[第249回] 東京圏の美術館・博物館(4)-2
  畠山記念館は、「茶の湯を体感する美術館」だそうで、敷地内には、遮那庵、翠庵、明月軒、と明月軒の後ろに新座敷の4つが、正門から入って美術館本館に至る途中の左手にあり、本館を過ぎた先に浄楽亭・毘沙門堂があり、美術館本館の2階展示室の一部分にも、≪四畳半の茶室「省庵」と茶庭が設けられ、茶室にいる雰囲気の中で≫作品を鑑賞できるようになっています。 茶室を別にしても、庭園もなかなかのものです。
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   奥の浄楽亭・毘沙門堂 は、↓
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↑  和室の奥、右寄りに床の間でその左に床脇があります。 私は、住宅建築業の会社に長く勤めてきましたが、床の間は床の間が左で床脇がその右に配置されるものを「本床」と言い(「板床」や「置床」などでない畳をしいた「畳床」を「本床」とも言いますが)、床の間が右で床脇が左に配置されるものを「逆床」と言い、逆床を避けたいと考えるお施主さんが少なくなかったのですが、↑を見ても、この浄楽亭においても、「逆床」は普通に設けられています。
※《住宅建築専門用語辞典 床の間》http://www.what-myhome.net/20to/tokonoma.htm
《京町家改修用語集 逆床とは?》http://sugiitakunn.blog.shinobi.jp/%E3%81%8D/%E9%80%86%E5%BA%8A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BC%88%E3%81%8E%E3%82%83%E3%81%8F%E3%81%A9%E3%81%93%EF%BC%89
   床柱と床脇の部分から床柱に向かってくる「長押(なげし)」と「落とし掛け」は、ぶつかる部分において、どちらを前にするべきか。 (株)一条工務店では、何も言わなければ、「浜松方式」というのか「遠州好み(えんしゅうごのみ)」(この場合、小堀遠州の好んだ、という意味ではなく、浜松とその周辺の遠州人の好みという意味)で、長押を床柱の前に持ってくる施工、床柱を刻んで、長押をそこにはめ込む施工をしていましたが、福島県浜通り地方、及び、茨城県北部においては、床柱は下から上まで見せるもので、長押(なげし)は床柱の手前で止めるもの、せっかく、床柱を入れているのにその前に長押を持ってきて床柱を隠すというのはおかしいという考え方であったようです。 住宅雑誌に掲載されていた写真を見ると、ほぼ全国で施工しているハウスメーカーでは、長押を床柱の前まで持ってくる施工をしている所が多いけれども、長押を床柱の手前で止める施工をしている所もありました。 東北地方では、床柱を下から上まで見せる施工をする地域が多いようですが、東北地方はどこでもということでもなく、地域によってはそうでない地域もあるようでした。一般に、東京から西では、長押と床柱では、長押を床柱の前まで持ってくる施工の地域が多いように見受けられますが、床柱にどういうものを使うかによっても変わってくるようです。  また、「長押(なげし)」なのか、「落とし掛け」なのかという問題もあります。 「長押」を床脇の上までまわすべきなのか、床の間の上には落とし掛けは設けても長押は設けないのと同様に、床脇の上にも落とし掛けは設けても長押はまわさないのか、床脇の上にも長押をまわすのか、という問題もあります。 長押を床脇の上にまわさず、落とし掛けを設ける場合は、落とし掛けは床柱の手前で止めます。落とし掛けを床柱の前まで持ってくる施工はしないでしょう。 長押を床脇の上までまわした場合、床柱と長押は、長押を床柱の前まで持ってくるのか、床柱を下から上まで見せて長押は床柱の手前で止めるのか。 床柱がその室の他の柱と異なる銘木である場合と、同材である場合、同材でも他の柱より太いものを使用する場合、同材で他の柱と寸法も同じ寸法である場合によっても変わってくるようです。 この浄楽亭では、長押を床柱の前まで持って来て、落とし掛けは床柱の手前で止める施工をしているようです。
   「床刺し」は避けた方がよい、と言われます。 但し、この場合、床の間に刺さらない方が良いというのは、畳の分かれ目のことなのか、棹縁天井の棹のことなのか、という問題もありますが、住宅において、「不燃天井版」などという、必ずしも本格的でない天井版を使用した場合でも、床の間が1畳分である場合、床の間の前の畳は床の間と平行というのでしょうか、畳の長い辺が床の間と接するように畳を敷くのが一般的だと思います。 但し、床の間が1畳分の場合はそれで良いのですが、床の間がそれより広い場合、畳の切れ目が床の間の前で床の間に向かうことは、一般の戸建住宅においては「やむをえない」と普通は判断していますが、↑の浄楽亭で見ると、床の間は1畳分ではなくそれより広いのですが、床の間の前だけ、畳の寸法が異なり、床の間や床脇のところではなく、床の間と床脇の境目、床柱の所で畳の分かれ目ができるように、畳の寸法を特別のものにしてあるようです。 天井を見ると、棹縁天井の棹も床の間と平行になって刺さらないように施工されている ようです。

   正門から美術館本館までの小径の途中で左に行くと、「遮那庵」、「翠庵」、「明月軒」とその奥の「新座敷」があります。 遮那庵の後ろにトイレがありますが、使えればいいというものではなく、その場に調和するような物が建っています。
   明月軒とつながっているのが「翠庵」。 「遮那庵」がその向かいにあります。 今回、明月軒で、お抹茶と干菓子をいただきました。
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(↑ クリックすると大きくなります。)
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↑ 手前が明月軒。 その左が翠庵。
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↑ 正面が翠庵。 右手前が明月軒。
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↑ 翠庵。
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↑ 翠庵。
   明月軒、翠庵の屋根の上に、菖蒲が載っていますが、これは、「邪気を払う」という意味で載せられているそうです。
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↑ 遮那庵

   今回、「平成28年春季展 光琳とその後継者たち」のチラシに、≪茶室公開 5月4日(水・祝)・5日(木・祝)午前10時半〜午後3時半まで明月軒にて「近代の数寄者 畠山即翁の茶室で一服」 両日は、明月軒でお抹茶をお出しします。 呈茶代:600円(干菓子付き) ≫と出ていたので、ぜひ、「茶室で一服」させていただきたいと思い、何が何でもこの日に行きたいと思って訪問したのですが、明月軒の前まで行って見ると、なんだか、お菓子付きでおうす出していただいて飲むというだけでなく、なんだか、お茶席みたいで、うかつに参加させていただくと、「けっこうなお点前ですこと、オホホ・・・・・・」とか言わなきゃならんのかな・・・とか思って、やめようかなという気になったのですが、本館の受付で、「茶道とかの経験のある人が対象ですか」と尋ねてみたところ、「そんなことありません」ということなのでお願いしました・・・・が、次の一言、「初心者の方でもどうぞ」と言われたので、「初心者」ということは、やっぱり、「けっこうなお点前ですこと、オホホ・・・・」て言わなきゃならんのかな・・・と思い、どうも肌が合わないようなとも思い、どうしよかなと思ってひやひやしました。 そのあたりを次回http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_6.html  述べます。 

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   美術館本館の入口付近の赤松↑。 赤松は幹の皮が赤い。 今まで私が見てきたものでは、黒松は、東京都世田谷区の九品仏浄真寺、神奈川県寒川町の寒川神社、兵庫県西宮市の西宮戎神社で、赤松は岐阜県高山市国府町の村山天神の向かいで見てきましたが、それだけを見ていると、松の幹の色はそんなものかと思ってしまうのですが、これが「赤松」、これが「黒松」と明示されたものを見て見比べると、確かに、赤松は幹が赤い、黒松は黒い。
   (2016.5.7.)

☆ 畠山記念館(港区)
1. 丸に二つ引きの紋の入った門より、庭園と調和した美術館本館へ http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_4.html
2.   〔今回〕
3. 「茶道」とは。「不毛な嫁入り道具」か「志は高い隠者の接待」か。 http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_6.html

☆ 東京圏の美術館・博物館シリーズ
東京都
根津美術館(港区)(隈 研吾) http://tetsukenrumba.at.webry.info/201603/article_1.html
新国立美術館(港区)(黒川紀章+日本設計共同体)
1.http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_1.html
2. http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_2.html
3.http://tetsukenrumba.at.webry.info/201605/article_3.html

千葉県
千葉市立美術館(千葉市中央区) http://tetsukenrumba.at.webry.info/201307/article_2.html


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